コミュニティ不振
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宝の持ち腐れだとよく言われた。オイラの部下だしほっとけって思う。
少し前にここに配属されたレイカは現在オイラの報告書メーカーと化してる。これがまた、文章力のある出来た部下なのだ。
「支部長が覚えてないことで出来た不自然な間ですが、適当に書いておきましたので。」
「あ、サンキュー。(これ目玉採取してた時の隙間だケドまぁいいや)」
こんな感じでレイカは素晴らしい。言いたくないことは忘れたって言えばそうですか、で済むし。
ただ最近無表情なんだよなぁ。別にいいケド。でも来た当初は少しくらい感情だしてたんだよ。
不自然ってワケでもないんだケドさ。
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今日も今日とて主の居ない支部長室の机にて報告書を書いていく。同僚たちに渡された報告書と下書き報告メモを見比べて多少盛りつつ書いていく。
“指定されたものはとってきた。ベイがサボったので別紙にて追加物報告。第5支部に搬入。 ザイパー ベイ”
“でかいの三匹くらい追加。第5支部に搬入。チクショウ。 ベイ”
…同僚は何をしているのだろうか。サボりとは何だ。構わないが。
これは適当に盛った方がいいな。第6支部の沽券に関わる。この部屋から出ることはほとんど無いから私には関係ないが、支部長ならオイラがサボれなくなるからと言って書き直させるだろう。
小さく溜め息を吐いた。
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「…今日こんなに来る予定だったか?」
首を傾げる。三頭ほど多い気がする。気がするじゃねぇ、多い。
また誰かなんかやらかしたんだろ。小さく嘲笑した。
まったく、支部長が支部長なら支部も支部だ。まぁ多いことには迷惑しねぇしいいけどな。
「運び込め。仕込み始めんぞ。」
近くにいた支部の奴に言えば運び込まれていく猛獣たち。
さて、始めるか。
関係性が振るわない
(レイカ、これ今日の。)
(どちらかへ行かれますか。)
(え?便所行くケド。)
(こちら、ザイパーとベイの今日の報告書です。持ってってください。)
(んー。)
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2014/01/16