少女は捕食者が苦手

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「よいしょ、と」

「えと、すみ」

「違う」

「…ありがとうございます、」

「ん。」


猛獣から降ろしてもらって謝罪…ではなくお礼。満足げに笑ったセドル様にきょとり。

じゃあ、と思って猛獣の方にもありがとうと伝えて頭を撫でる。

大きすぎて少し怖い。そのせいで手が震えるけどすりよってきてくれてなんだかほんわかとする。


「いい?伊織。いこ。」

「あ、はい。」


声をかけられてまた一撫で。名残惜しげなその子に笑いかけて、先に歩き出したセドル様を追いかけた。


--


「機械が出来るみたいだからさ。ちょっと手伝わせてやってよ。」

「ふむ、わかりました。」

「んじゃ、伊織。ちゃんと言うこと聞くんだぞ〜?」

「え、あ、あの、」

「帰り迎えにくるし、オイラがここに来るまでの間だからさ。」

「え、だから、事態が飲み込めて、」

「そんじゃジョージョーあとヨロシク!!」

「はい。」


はっ、はいじゃない…!!


--


このいかにも悪役な人はジョージョー様…ええと、確かに漫画でもいた気が、うん、美食會じゃ結構出てる方だと思う…。

それで…そのジョージョー様の話によると…私はグリンパーチ様が言っていたように働かなければならないらしい…。

それも支部をたらい回しで…よくわからないけど…それ私役にたてるの…。

それを思い出してセドル様は私をここにつれてきたとかなんとか…まぁ確かに料理よりは機械の方が得意だけど…。

GTロボみたいに複雑になると流石に無理ですけど…。

とりあえず整理すると【働かざる者食うべからず】と言うことらしい…。

…今は皆さんの動き見てるだけだけど、私は何をすれば…。


「伊織、じゃったな」

「ひぃっ、あ、はい、」


急に話しかけられて肩が跳ねる。すみませんジョージョー様、いつの間にいらっしゃったんですか。


「…ふむ…そうじゃなぁ…見てて何か出来そうなことは?」

「…下手に触ったら、大変、ですよね、」

「そうじゃ。」

「ありません。」


冷や汗をだらだらと流しながら視線を逸らす。すみません怖いです出来ません。


「…勉強からはじめるかのぅ」

「…え」

「ここにノートとシャープペンシルがある。それからこれはGTロボの簡単な管理から複雑な構造に至るまでが書いてある。」

「…はぁ。」

「ここに来たときは皆を見ておれ。部屋に戻ってもすることもあるまいに、それで勉強しなさい。」

「…はい。」


学校かよ、という突っ込みを口から出すことは私の精神状態が邪魔してかなわなかった。













これから


((あれ、幸先不安だ))













とりあえず働いていただきます。



2013/12/07

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