long dream

□2話
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数秒の間で始めた脳内会議では、到底結論がでそうになかった。

色んな意見が休む暇なく頭の中で飛び交う。
コスプレマニアの意見、逆トリップの意見、電波の意見。

どれを選ぶか以前に、答えはなんとなく解ってるけど。
というか、明らかだろう。
証拠ともなる錬金術をみたあとに、どう疑うのか。いやいやでも、日本の技術をフル活用した撮影かもしれない。

もう、本当にどうすればいい。


「…あんたもコイツらの仲間?」

話しかけられる事は予想してなかったため、驚きのあまり肩が大袈裟に飛び上がった。
唇も乾いてて舌が張り付くような、そんな状態で私は必死に口を動かしていく。

「い…いえ。違い…ます。」

正直、喋るだけで喉が声を出すのを拒否するかのようにヒリヒリした。
そんな私の状態にお構いなしに、会話を続けながら彼は近づいてくる。

「あっそ。…ここら辺でさ、デカイ鎧見なかった?」

デカイ鎧とは、アルフォンスの事だろうか。
やはり、この少年は鋼の錬金術師エドワード・エルリックなのだろうか。

疑問点が多出しすぎて頭がパンクしそうだ。


逆トリップした夢小説とかはここで 普通、きみの弟の事だよね。とか…貴方鋼の錬金術師!?とか言うべきなのだろう。

でも実際に我が身に起こると、こんなにも言葉選びに迷うとは思わなかった。
ヒリヒリピリピリ
喉が黙秘権を行使しようとしている。

エドワードが凄く怪しそう私を見ながらも、問いかけの答えを待ってる。

だから、余計に混乱した。




「き、君は…この……世界の人…ですか?」


喋ってから気づく、やっちゃった感。
気づいたところで、後の祭り。



(…あれ?)
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