BL置き場

□恭理樹
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〜恭介Side〜

「恭介?来たよ。」
「おう。よく来たな」
ノックと共に理樹が入ってきた。
「なぁ理樹これ着ないか?」
そういって俺が取り出したのは女の子の服と理樹の髪と同じ色のウィッグ服は当然スカート。
「スカート⁉なんで⁉というかウィッグって⁉」
「ほら理樹って女の子っぽいだろ?だから女装してくれ」
「そんなさわやかな笑顔で言われても!」
理樹は可愛い。朱鷺戸の時の女装は色んな意味でヤバかった…。
「いやか…?なら強要はしないが…理樹が嫌がることはしたくないしな。」
押してダメなら引いてみろ。特に理樹はこういうの弱いしな。
「着て…どうするの…?」
「着てくれるのか?」
「いや…着てどうするの…?」
「いや、可愛いかなと思っただけだが?」
理樹の女装…想像するだけで萌える!
「男に言うセリフじゃないでしょ…」
「そうか?理樹は可愛いから好きだぞ」
可愛いって言われて照れたか?
「照れやがって…可愛いなぁ♪」
本当に理樹は可愛いなぁ…無意識に手が理樹の頭に伸びていた
「きょ…恭介…き…着ても…いいよ…?」
「マジでか⁉よっしゃあぁあ!」
これで可愛い理樹が見れる!!
そして数分後…
そして着替え終わった理樹。というか部屋追い出された…別に見慣れてるから気にしないんだが…まぁ恥ずかしいんだろうな
「…別人だな…」
「きょ…恭介…」
恥ずかしさからか軽く涙目になって俺を上目遣いで見てくる…
「ぐはっ!…ちょ…マジやばいって…これ…」
ヤバすぎるだろう…これは…俺にクリティカルで来たぜ…無意識なのが更にがたちが悪い…いや、理樹だからいいんだが。
「恭介…に…似合ってない…?」
「そんなことはない!!」
つい即答で返してしまったぜ。まぁでも…可愛いな理樹は。さて、出かける準備もできたし…
「じゃあ理樹。出かけようか。」
「え?…ええぇえぇぇ⁉き…聞いてないよ!」
「ん?あぁ言ってなかったか。まぁいいじゃねぇか。行こうぜ」
さりげなく手を引く。そうすると困った顔をしながらもついてくる。きっと女装のまま出るのか…って考えてるんだろうな。

そして外に出る。ちっ…少し失敗したな。道を歩く野郎どもが理樹を見てる…そりゃそうだよな。今の理樹を男と思うやつはいないだろう。側から見れば可愛い女の子だ。まぁいい。
俺が常時傍にいれば牽制になるだろう
「恭介…?どこ行くの?」
「理樹は行きたいとこあるか?」
「うーん…とくにはないなぁ」
「じゃあゲーセンにでも行くか?」
「うん。いいよ」
さりげなく理樹の手に指を絡める。まぁ俗に言う恋人繋ぎってやつだな。
「何か欲しいのあるか?とってやるよ」
「えぇ⁉いいよそんなの!」
「遠慮すんな。彼氏が恋人に何かを送りたいんだ。嫌か?」

覗き込むように理樹の顔を見た。顔が赤い。全く…
「ん…じゃあ…これかな」
そういって理樹が指を指したのは猫のストラップ。
「この真っ白な猫のストラップがいい」
そして指を指したのは白猫のストラップ。白猫…白猫を見るとあの世界で俺の分身として作ったレノンを思いだす。
きっと理樹はあえてそれを選んだのだろう。
「白いのか?」
「うん。白いのがいい」
「わかった。………よっと…取れたぞ」
一発で取ることができた。
「わぁ…ありがとう!恭介!」
「どういたしまして。…か」
レノン…か…
「恭介なにか言った?」
「いや。何も。さて、次はどうする?」
「おなか減ってきちゃったな。何か食べたい」
そういえば朝呼び出してそのままずっと遊んでたな。朝食も食い損ねてるし腹も減るか。
「そうだな。そういや結局朝飯食い損ねてるか。じゃあ行くか。そこの店でいいか?」
「うん。いいよ」
俺がハンバーガーとコーラ。理樹はハンバーガーとカフェオレ。
「あ、恭介お金…」
「気にするな。おごりだ。」
「…ありがとう…」
理樹が何か考え事をしてるようだが…
「き…りき…おい理樹。」
「あ…な、なに?恭介?」
「呼んでも反応しねぇからどうしたのかと思ったぞ」
「ご…ごめん…」
「考え事か?」
「…うん。」
「…俺がお前となんで付き合ったかわかるか?」
ビクッ
何か悩むことがあるとしたらこれくらいだろう。思った通り、理樹はわかり易いくらい反応した。
「わかん…ない…」
「仲間の中では一番可愛いと思ってたしな。でもまぁ、細かいところは俺もわかんねぇんだけどな。」
そういって俺は苦笑した。
「そうなの…?恭介でも説明できないって…」
「そういう理樹はわかりやすいよな。」
そういって笑った。理樹は相変わらず何かを考えているようだ。
ぽろっ
「おい理樹!?」
何を考えていたかわからないが急に理樹が泣き始めた。
「ごめん恭介っ」
理樹はそのまま店を出ていった。とっさに俺もそのあとを追いかけた。…トレーとかが置きっぱなしだがまぁいいだろう。貴重品は持ってるしな。
店を出てしばらく歩いたところに理樹はいた。座り込んではいないが泣いているのだろう。声をかけようと近寄る前に理樹に近寄る男が三人ほど。
内容はよく聞こえないがナンパだろう。
「や…やめてください!」
男の一人が理樹の手を掴み無理やり引っ張っていこうとした。それを見た瞬間俺は理樹のもとへ駆け寄り男の鳩尾に蹴りを入れ残りの二人を睨み付けた。
「こいつは俺の連れだ。気安く触ってんじゃねぇよ。」
「きょ…恭介…」
理樹は俺を見てきた。俺は安心させるために理樹に微笑みかけた。そうすると理樹は目に見えて安堵の表情を見せた。そして男たちを睨み付ける。
「で。まだなんかあるのか?ないならとっとと失せろ。目障りだ。」
そう言うと男たちは逃げるように去っていった。
「理樹大丈夫だったか?」
「恭介…うん、大丈夫…ごめんね…」
「何がだ?」
「急にお店を出て挙句に絡まれてるところを助けてもらって…今日は…ううん今日も恭介に迷惑をかけっぱなしだ…」
うつむき泣いているようだ…。
「理樹…全く…」
俺は理樹を抱きしめる。
「恭介っ?」
慌てたように理樹は俺の名前を呼ぶ。あぁ…ったく愛おしいなぁ…
「お前の事で面倒に思ったりするわけないだろうが…俺はこんなにもお前の事が大事で愛おしいってのに…」
「きょ…恭介っここっ外っ…人見てるっ」
「かまうもんか。なぁ理樹。俺はな、最初はお前を手のかかる弟みたいだと思ったんだ。でもな、それがだんだん変わってきて、気が付けば好きになってたんだ。」
「きょ…恭介ってば!恥ずかしいから…」
仕方ない。恥ずかしがってる理樹も可愛いが独り占めしたい。仕方なく俺は理樹を開放し寮へと向かった。
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