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□お兄ちゃんの奮闘
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最近綾の様子が変わった

前々から奔放で自由過ぎることはあったが根は真面目だった



しかしある日を境に綾はスカートを短くしたり、以前なら読むこともなかったファッション雑誌を常に持ち歩くようになった



「綾!!なんだその格好は!!」

「何ってワンピに決まってるじゃん?これが柔道着に見えるのゲンイチロー?」

「口答えをするでないわ!!たるんどるぞ!!肩が出ているではないか!!」

「夏だからいいの」


肩が出ているワンピースに
膝が見えるぐらいの短さに


「しかもなんだ!!その口紅は!」

「グロス…お小遣いで買ったの!kiss meのグロスいいでしょ?」

「接吻などたるんどる!!」

「うわぁ…今どき接吻なんてないわ」


「おい!何処に行く!!待たんか!」

「今から出かけて来る」

「そんな恰好で許さんぞ!!」


下着が見えるではないか!!

肩をそんなに出してなんと破廉恥な恰好だ!!







「…というわけだ」

「真田、お前は馬鹿じゃな」

「何?」


放課後俺は屋上にて相談を持ち掛けた


「一体どうしたと言うんだ
これまでこんな反抗的な態度はなかったというのに…反抗期か?」

「あー、それは違うだろ?
反抗期っていうよりもアイツの場合」

「彼氏でもできたんじゃなか?」

「なんだと!!」


綾に彼氏だと?


そうなるとアイツの奇行は全て


「どこの誰だ!!俺の綾を非行に走らせたのは!!今すぐ成敗してくれる!!」

「おい何で日本刀もちだしているんだよぃ!」

「やめたまえ真田君
綾さんも中学生なのですから着飾るのは当然でしょう?」


「別に校則を破ってはいないから問題ない」


いくらマネージャーであっても本人の意志は尊重すべきだと言うあいつ等だが



「でも相手の男によるよね?万一不良だったら食べられちゃうかも」

「なっ!!」

「おい幸村君」

「綾は天然だから食べられてそのまま帰ってこなくなったりして」


「〜〜〜綾ぁぁぁ!!」


ダメだ!!
嫁入り前に体を汚すなど許さんぞ!!





「綾!!たるんどる!!」

「は?何なの?」

「今すぐ素行を正すのだ!!」


「意味わかんないし…ああそれから今日は泊りだからヨロシク」


「たるんどる!!そんなことを許すわけなかろうが!!」


「何でゲンイチローの許可がいるのよ!」

「門限は五時だ!それ以上は許さん!!」


なんということだ


誰だ!!

俺の従兄妹をかどわかした不当な輩は


絶対に許さんぞ!!



俺はこの日誓った

綾の付き合っている男に決闘を申し込み別れさせようと



心に誓ったのだった


終わり

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