独眼竜の宝珠

□第八話
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城下で出会った二人は
ひとまず奥州にとどまることになった







「佐助!腹が減ったでござる!」

「ちょっと!さっきたらふく団子を食べたばっかでしょ?」



現在幸村が腹が減ったと叫び佐助が諫めているが



「おかん」

「ちょっとやめてくれる?俺様忍びだから!おかんじゃないから」


「やっていることおかんだわ
幸村、お腹空いているならお饅頭食べる?尼君様にいただいたんだけど」


「いただきます!!」

「ダメだって!!」


尼君様に京土産としていただいたお饅頭を見せると目を輝かせる



子犬のようだ


「おかんも食べる?」

「いただきます…じゃなくて違うから!」



お菓子とお茶の用意をして
ついでに佐助にも振る舞うが、おかん呼びがダメだったようだ


「ねぇ佐助、その格好派手だからこれ着て」


「何でそれ?
やめてくれる!俺様忍びって言ったでしょ?」


割烹着に似たエプロンを渡すと突っ込まれた


「だって台所番するとき汚れるでしょ?」

「うむ!佐助、いつも着ているではないか!」


なんだ、やっぱり着ていたんだ



「佐助は某の世話係ですから」

「ふむふむ、おかんではなくてパシリか」

「ぱし…」

カタカナが苦手だったようだ


「まぁ言うなれば…あんなの」


指さす方向は



「何で俺が庭の雑草を抜かないとダメなの!!」

「文句言ってねぇでしろ!」

「成実、これが終わったら城下で麦を買ってくるのです、それが終わったら湧水を汲んできなさいこの砂時計の砂が半分落ちる前です」

「ちょとぉぉぉ!!ここから湧水まで走っても三時間かかるんだよ!」


「「やれ!」」


今日も変わらずこき使われている成実を指さす


「誰?」


「大森城の城主」


「は?」

「政宗公の従兄弟」



憐れむような目で成実殿を見る佐助


「俺、あんな風になりたくないよ」


「何を言う?普段の佐助そのものではないか?」

「誰の所為?旦那が天守を壊すからでしょ!!」



背中からにじみ出るのは苦労人のオーラーが流れていた
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