ぐっともーにんぐ!

□ぐっともーにんぐ!1話
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「最近、十四松兄さんの様子がおかしい。」


もう日が落ちかけの午後、まだぽかぽかと暖かく、
外ではお天道様が元気に働いてる中、
今日も今日とて何も予定がなくそれぞれのやりたい事をやっていたニート達の1人、
トド松が居間の襖をガラリと開けて、



ゴロゴロと床に寝っ転がっていたおそ松、


求人雑誌をフェイクににゃーちゃんの写真集を見ていたチョロ松、



手鏡で自分の顔をずっと見つめていたカラ松、



部屋の隅で猫と戯れていた一松に淡々と言い放った。




「……急にどうしたのさ、トド松?」




求人雑誌(にゃーちゃんの写真集)を読んでいたチョロ松が、
誰も何も言わないのを見かねて襖の前に立っているトド松に眉を下げながらそう言うと、


トド松は不満そうに頬っぺたをぷくりと膨らませた。



「だーかーら!さっき言った通り!十四松兄さんの様子がおかしいんだって!」
「十四松がおかしいのはぁ今に始まった事じゃないだろぉー?
なぁー一松ぅ。」
「…どーかん。」



おそ松が相変わらずだらしなくゴロゴロと転がりながらそう言うと、
猫じゃらしを振っている一松がぼそりと同意の声を上げた。



「フッ…予測不可能である事が我が弟である十四m」
「大体、なんでそう思ったのさ?何かあったの??」



カラ松の言葉を遮り、
チョロ松が未だ立ったままのトド松を見上げる。

「最近十四松兄さんが朝早く出かけてるの皆知ってるよね?」
「あー…まぁ。最近起きるの早いよなぁ十四松。」
「どーせ公園か土手の所で素振りか走り込みとかで野球の練習してんだろ?」



なぁんだそんな事かぁ。


とでも言いたげにそれぞれが興味を無くしたように、
トド松の話を無視して、自分たちの思いのまま、
まったりとしだす。



「もし、そうじゃなかったら?」
「そうじゃなかったらって…なぁ?チョロ松。」
「どーせ十四松の事だから思いつきで行動してるんでしょ。」
「というか今日のご飯なんだっけ??」
「かーさんがカレーライスって言ってたよ。」
「カレーか…刺激的な俺にぴったりだな。」



わいわいと晩御飯のカレーライスについて騒ぎ出す兄弟達。




だが、それはトド松の言葉で一瞬にして。




「もし…





十四松兄さんが僕らに黙って就職してたら?」
「「?!!!」」



トド松の「就職」という言葉に全員がトド松の方へとようやく振り向いた。



そして、一瞬の静けさの中、
おそ松がごくりと唾を飲み込む音が鳴る。



「…兄弟会議といこうか。」




その場にいた全員が、こくりと頷いた。





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