happy
□Happybirthday! 蘭丸!
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♪〜〜♪〜♪♪〜♪〜〜
「………。」
店の中に流れるBGM。
ノリのいい軽やかな音楽は、思わずビートを刻みたくなる。
だが今はそんなことをしている場合ではない。
「……………。」
「………(このお嬢ちゃんはいつまでこうしてるつもりなんだ?)」
店の店長がそんな眼差しを向けていることなんて露知らず、わたしはじーっとにらめっこを続ける。
「…………。」
じーっ
「………………。」
じーーっ
「………………………。」
じぃぃーーーーーーっ
「っ、だぁああ!」
突然、本当に突然店長が声を上げた。
驚いて、思わずビクッと肩が揺れる。
何事だ。どうした店長。
そんな思いを込めた視線を店長へ向けると、彼はカウンターの上に片足を乗せて、じっとわたしを見つめていた。
……なぜそんなポーズを?
思わず問いかけそうになった。
「…おい、嬢ちゃん、」
「………はい……?」
「何をそんなに迷ってるんだ?」
「えっと、何を買おうかと……」
「何を買うかなんてズバッと決めろ。それがロックだ!」
「……………。」
なんか、あの人が言いそうなセリフだ。
なんて思っていたら、
「って、ここに蘭丸が居たら言うだろうよ」
………まさか本当にその名前が出るとは思わなかった。
まぁ確かに、らんまるさんはテレビでもあんな感じだし、ここはそうゆう店だし、別に不思議じゃないのかもしれない。
って、違う違う。
今はそんな話してる場合じゃないんだったら。
わたしはそう思い直して、再び棚へと視線を戻した。
今は店長をかまってる場合じゃない。
だって、
「……(無視された)………そういやぁ、そろそろ蘭丸の誕生日か。今年はどうなるかな」
店長の言葉にまたしても肩がピクリと揺れる。
……そう。実はそろそろ、ていうか明後日はらんまるさんの誕生日。