妄想たち
□リターン
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ガタンっ
ざわざわと人通りの多いスタジオの中にある、小さな薄暗いトイレ。
「・・っくく・・・」
荒い息が混ざり合っているかと思えば噛み殺した笑い声が響いた。
「くいちぎられるかと思った」
吐息のような声で、カイの耳もとに注ぎ込む。
「っふはっ・・お前が押すからっ・・だろ」
笑っていたと思ったら体内の熱がぐっと更に付き込み思わず息が詰まった。
「・・だって・・ヒョンの中・・やばいから」
「・・っん・・」
便器に置いていた足がずれて体制が変わったところを早々に立て直し、急かすように出入りする塊にずるずると意識を持っていかれて思うように言葉が紡げない。
「あっ・・セフナ・・」
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