妄想たち

□そうやってはじめよう
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どうしてこんなにほっとけないんだろう。



しばらくすると小さな体から、ゆっくりと寝息が聞こえてきた。


それを確認して、ベクの細い肩にそっと腕をまわした。
起きていたら笑いながら手をはたかれて終わりだ。

手のひらに収まる肩は思ったより細くて。折れそうだ。

遊びながら肩を抱く事はあったけど、こんなに改めてした事はなかったから。




ベクが苦しんでいる事が、苦しくて苦しくてたまらない。




渋滞につかまり、まだあと30分は宿舎に着きそうもない。


メンバーの寝息だけが聞こえる車内。
あと30分でも、ベクが安心して寝てくれてたらいい。



起こさないように、ふわふわした髪にそっと触れるか触れないかのキスを落とした。


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