銀桂・攘夷novel
□王様ゲーム騒ぎ
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それこそ最初は一人だった。
人を惹きつける性格というのは、実に厄介な時もある。
事件は数時間前のことだ。
☆
「銀時くんいますかー?」
せっかく「ギンタマン」が表紙の今週号のジャンプを開いたのに、よりによってコイツが来た。
「ヅラァ…てめー何しに来た」
「ヅラじゃない桂だ。うむ…久しぶりに定春くんの肉球に癒されに来たのだ。最近肩が凝って…」
「要するに暇なんだ?じょーい活動とやらはどうした」
「暇じゃない。今日はオフの日なん…」
桂が言い終えるか終えないかところで、銀時は戸を開けたままさっさと中に入ってしまった。
「邪魔するぞ」
開けっ広げにしている戸は、「入って来い」という銀時のサインなのだ。
「土産を持ってきたのだが…。リーダーと新八くんは?」
「神楽も新八もいねーよ。ついでにデカワンコもな」
「そうなのか…」
桂は残念そうにため息をついて、
「それならば銀時、UNOでもするか?強いぞ、俺は」
今度は銀時がため息をつく番だ。
そこへ_
ドン…、ドン…
玄関先で、力強く…しかし静かに戸を叩く音がした。
「誰か来たようだな?」
銀時の向かいに座っていた桂は、玄関を振り返る。
「_客か?」
銀時が重い腰をあげて、のそのそと玄関に向かう。
廊下に出て、玄関に降り立ち引き戸に手をかけたその瞬間!
ガララッ
銀時の目の前で勢いよく戸が開いた。
「_ンだ…いたならさっさと開けろよ」
確かに聞き覚えのある声だ。まさか、と思いつつも銀時は、おそるおそる顔を上げると…
「_たっ、高杉!」
銀時の驚いた声が聞こえて、桂も部屋から出てくる。
「よォ、銀時…。…んだァ、ヅラも一緒なのか」
「…!!ヅラじゃない桂だ。きっ…貴様なぜ地球に!」
「ちょっとな」
高杉は口の端を吊り上げる。
「…入らせてもらうぜ」
玄関で突っ立ったままの銀時の横をすり抜けて、高杉は草履を脱いだ。
桂が部屋に入り、それに続いて高杉が足を踏み入れた。
「ココが万事屋かァ?随分と小っせェな」
「文句があるのなら帰れ。突然の訪問…一体何を企んでいるのやら」
高杉を警戒しているらしく、桂は語気を強めて言った。
「人聞き悪ィこと言うなよ。…てめェらのツラ拝みにきただけだ」
「ツラじゃない桂だ」
「…ヅラァ、相変わらずだな」
高杉が苦笑する。これは高杉なりに久々の再会を喜んでいるのだろう。
「ちょ、ちょっと待てよ…てことはまさかアイツも……」
いつの間にか部屋に入っていた銀時が、顎に手をやってブツクサと何か呟いている。
桂も高杉も考え込む銀時を見つめていた、その時!
ドッ、ガガッシャーン
「糖分」と書かれた額縁をかけている壁が、爆音ととも崩れ落ちた。そして同時に、鉄の塊…船のようなものも突っ込んできた。
「やっぱりコイツも来るパターンかァァァ」
銀時は一人でシャウトした。