銀桂・攘夷novel
□攘夷志士に盆とか関係ない
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(リーダーでも新八くんでもいい。
誰かと会わないだろうか)
お盆などというもののせいで、一部の攘夷志士やエリザベスまでそろって帰郷してしまった。
一人になった「狂乱の貴公子」こと桂小太郎は、特に予定もないので、退屈さのあまりかぶき町…というよりは、万事屋周辺をうろついていた。
「あっ…ヅラネ!おーい、ヅラァ!」
15mほど先で赤いチャイナ服の小柄な少女が、両腕を大きく降って歩いてくる。
「ヅラじゃない桂だ。…してリーダー、何か用か」
「用ってほどでもないけど、銀ちゃんからもし桂に出くわしたらコレ渡すよう言われたネ!」
そう言って神楽がズボンから取り出したのは一枚の紙切れ。
「ちゃんと届けたアル。じゃ、私は定春の散歩の続きしてくるネ」
じゃーなーと後ろ手に降りながら神楽は去っていった。
「……」
桂は、キレイに四折りにされた紙切れを開いた。
〈ヅラァどーせ万事屋の近くうろついてんだろ?ロールケーキ買って来いよ〉
銀時にはお見通しのようだ。
桂は近くのケーキ屋でロールケーキを買い、万事屋へと向かった。