°**Dream short**°
□仮面男子
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一時間目から眠くなる古典の時間。
すでにウトウト状態で、睡魔に戦っている。
コツンと頭に感じる小さな何か。
またコツンと、ノートに落ちた小さな消しゴムのカス。
こんなことするのは、あいつしかいない。
早希「な、に、す、ん、の、よ」
授業中のため、小声で彼に言う。
それに一番後ろの席で、周りの生徒には気付かれにくい。
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翔「お前、俺のこと言ってないだろうな」
まん丸い目は、睨みつかせて完全に悪い顔になっている。
言えるわけない、あんな王子がこんな悪魔になるなんて。
誰だって信じないと思う。
翔「お前ってさ、相葉と付き合ってんの?」
急な話題に、動揺が隠せない。
早希「付き合ってない」
翔「あーじゃあ、お前の片想いか」
何も答えれなかった私に対して、
あいつは「分かり易っ」と鼻で笑った。
私は、そいつに消しゴム丸ごと頭に投げてやった。