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□キミの心に奪われる---2
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学校に着くなり、教室に向かったオレは、変なことに気がついた。
花形が一緒の教室に入ってくるのだ。


「お前、このクラスだったか?」


かなり失礼である。けれど、知らないよりマシで、聞くことにした。
花形は、そのことに怒りもせず、笑って返すのであった。


「そうだよ。始業式のとき、藤真は虚ろな目をしていたからね」


苦笑して言う花形に、オレは赤面していたに違いない。
あのときはお互いに名前も知らなかったはずなのに、見られていたのを思うと顔が火照ってしょうがない。


朝練が終わり、授業が始まるなり、オレにとって最悪の事態が起こる。


「あーしょっぱなからテストかー」


つらい。いつでも勉強不足のオレにはそれはいくらなんでもって程きつい。
あーもう零点でもいいや早く学校終わって・・・・。泣きたくなるから・・・。


「花形ぁ〜・・・」


今オレはとても情けない声をしていただろう。
そりゃそうだ。
テストで零点とまでは行かないが、たかが中学レベルの実力テストで
35点の赤点ギリギリをとってしまったことは、親には話せないくらいだめだめだ。


「お前、何点だったんだ?」

「100点」

「神様―」


 昇天しそうだ・・・。なんで花形が出来て俺ができないんだー・・・・。

たしかにこいつは黒縁眼鏡なんてかけて普通でも頭が良さそうに見えるのにオレはただ顔が綺麗なだけのバスケバカだ。
けれど、花形はバスケも出来て、勉強も出来る。
その雰囲気を感じ取ったのか、花形はふ、と笑って言った。


「バスケが上手だなだけでも、いいんだよ」


その言葉が、オレの頭の中でリフレインする。
頭が悪いからと言ってけなすわけではなく、それを汲み取ってくれる花形の優しさが、オレは好きなんだと悟った。
 


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