namamon_bl

□You & I _1
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その日のロケも終わり、ホテルで一泊することになっていたため華丸は
部屋へ戻って頭の整理をしたくそそくさとルームキーを握ってロビーを出た。


小走りでエレベーターホールに滑りこんで、上矢印のボタンを押す。
すぐに扉が開いて一息つきながら乗り込むと
後ろから誰か他の客も乗り込んできたのも気づかずに
華丸は自分の部屋がある階のボタンを押した。


階につくまでの間ももどかしく
いつもの癖で顎に手を当てて考えていると、ふとあることに気づく。


「あの、何階ですか…」


自分がボタン側に立っていたのにも関わらず他の乗客のことを忘れていた。

思い出して聞きながら振り返る。


「同じ階やけん、そのままでいいとよ?華丸くん」

「だ、大吉、先生…」


壁に腕組をして寄りかかったまま張りついた笑顔で見返す大吉に
思わず先生と呼んでしまう華丸は、本当に威圧に弱いと思う。

そして、さらに大吉はその笑顔のまま近づいてきて
隅で固まっている華丸の肩に手を置いた。


「今日の部屋、一緒にしてもらったけん」

「えっ、え、隣じゃないと?何で?」


まだエレベーターは到着せず、隅っこにおいやられる状態が続く。
突然の大吉の発言に華丸は軽くパニックになり、逃げ道を探して挙動不審になった。


「何、華丸くん。俺と一緒が嫌やと?」



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