夢ならよかった

□クラスの枠を越えて
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送る会みたいなのを開いてくれてからちょくちょく他のクラスやバスケ部にお邪魔している



「花梨ー!今日は来るかー?」


『行く!…次だっけ?試合って』


「次の日曜!」


『そっかー…じゃあ、遊びに行けないね。邪魔になるもんね。』


「遊びに来ればいーじゃねーか。いや寧ろ応援しに!控え室に遊びに来いよ!」


『それはさすがにねー。ま、コガはどーせベンチだしね』


「ほっとけ!」


『最初んときはかっこよかったのにねー。どうしちゃったんだか』


「今はかっこよくねーって言いてーのかよ…」


『走り回ってるカッコイイじゃないってだけなんだけどね。応援してる姿はカッコイイよ。誰にも負けてない』


「そうかよ…」


『なーにー?最近冷たかったりするけどツンデレとか狙ってんの?』


「狙うか!」


『走り回ってても走り回ってなくてもコガはコガだよ。私にとってはどのコガも輝いて見えるし!あ、水戸部くん』


「………」


喜んでても喋らないんだね

ニコニコしてる

『どーしたの?すごいニコニコしてるけど』


ピピピ…

タイミングよく携帯が鳴る


メール1件

開くと水戸部くんから


内容は【最近、篠原が頻繁に来てくれて嬉しい】というもの

なかなか嬉しいことを言ってくれるじゃないか


『よし、水戸部くん!体育館へレッツゴー!コガー!行くよー?』


「おー」


体育館に着くといつも通り2年生が早く着いていた


『1年ってHR長すぎるよねー』


「そういえばそうだよなー」


『私、早くテツヤくんと大我くんと話したいのにさー』


「あら、花梨は2年生より1年生の方が好きなの?」


『1年生って純粋で可愛いし。2年生はもう淀んでるしね、日向くんと伊月くんがいい例だよ。』


「うぉい!何で俺が伊月と並べられなきゃならないんだよ!」


『残念な人を挙げてみました!』


キラッと笑う私を睨んで、ゴールにボールを投げ込む日向くん


別に日向くんが嫌いってわけじゃない

寧ろ好きな方だ

ただ、弄ると反応が面白いってだけなんだけど…


『日向くんってさ好きな人とかいるの?』


「は?!」


半ば、声が裏返っている
うん、変なことを聞いたのは私だけど反応、良すぎはしないかい?


『てゆーか、日向くんに限ったことじゃないけど皆恋ってしてるの?』


「何だよ、いきなり」


『だって誰も彼女いなさそーだし』


「失礼だな、おい」


コガと日向くんが口々に言う

じゃあいるの?と聞いてみれば
モゴモゴと喋り出す

「いないけど…」

「うっ…それは…」

ほらね、と言うと2人は立ち上がって言った

「でも好きな奴くらいはなぁ…!?」

「おぅ!」


強がってんのか本意なのか分からないけどこれでいるって分かったら私が辛いんだよね、コガの場合


「それよりお前にはいねーのか、好きな奴…」

自分の事で苦しくなった日向くんは話の矛先を私に向けた


『え?私?』


「そうだよ!花梨は好きな奴いないのか?他人に聞くってことは自分はいるってことだろ?」


『い、いるけど。一応』


「誰?!」

真っ先に食いついて来たのはリコちゃん

目がキラキラしてる


『秘密』


「えー教えてよ、花梨ー」


『だーめー。教えませーん』


「じゃあじゃあ、同じクラスの人?それともバスケ部の奴?」


どっちも同じ人だとは言えないな…


『さぁ、どっちでしょー?』


「えー教えてよー」


『教えなーい』


「花梨のケチ。」


『それよりさ!リコちゃんは好きな人とか恋人とかいないの?』


「え?私?いないわよ」


『えーいそうなのに…。』


「例えば?」


『日向くんとか。私、最初はリコちゃんと日向くん、付き合ってるものかと思ったもん。あ、あとは木吉くんとか!なんか包容力っていうの?そういうのあっていいよね!優しくしてくれそうだし。』


「そう見えるの?私たちって」


『うん、まぁ。少なくとも私にはそう見えたよ』


「じゃあ、もう少し距離とらなきゃね。鉄平はまだしも日向くんとカップルに見られるなんて…」


「木吉より下の俺って…」


『可愛いリコちゃんにカッコイイ日向くん。お似合いだと思うんだけどなー』


「やめてよ。それ言ったら、花梨と小金井くんはお似合いよ?」


『ほんと?』


「え?」


『え?あ、変な意味じゃなくて!友達としても結構傍にいる時間長いし、お似合いって言われるってことは友達として傍にいてもおかしくないってことでしょ!そういうこと!』


あれ、日本語変…


「あ、そういうことか!びっくりした!」


『そうそう!リコちゃん、あたしこれで帰るね!』


「え、でも1年生と話するんじゃ…」


『練習の邪魔になるの嫌だし、帰るよ!また明日ね!バイバイ!』


半ば強制に手を振って体育館を出て行く


何動揺してんの

顔が熱い


思いがすれ違ってると分かるまであともう少し



20140103

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