夢ならよかった

□彼女疑惑
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その日はいつもと違った





放課後、いつも直帰の私の足は昇降口に向かうのではなく体育館に向かっていた






えーっと、確か、手前でやってるって言ってたよね





そろー…っと覗いてみると、





バッシュと床の擦れる音





ダムダムとボールを床に打つ音




が響いている





『すごい…』




コートでは今まさにゲーム中らしく、選手が動き回っている




そのとき、



ゴールの方で赤髪の子が飛んだ





『高っ…すごい…綺麗…』





凄すぎて言葉が上手く紡げない




視線をずらすと、いつもニコニコしてる水戸部くんを見つけた




『嘘、あれ…水戸部くん?』




いつもとは違い、至って真剣な表情





『カッコイイ…』




あ、コガは?

そう思い、視線をずらすとひたすらに走り続けるコガ



『カッコイイ…』



いつもよりカッコ良く見えるのはきっと好きなことをしてるから…




息をするのも忘れるくらい見入っていると、試合が終わった




「……ん?おー!花梨ー!」





ふと、コガに呼ばれる




ん?と思って見ると、タオルで汗を拭きながらぶんぶん、と手を振るコガ




『ふふっ…』



その姿に笑いが漏れる




伊「ん?あの子誰だ?」




伊月の1言で皆の目線が私に向けられる




『……え?』





日「コガが手を振ってる…ってことはコガの彼女?!」





皆「「「「え?!」」」」





伊「いやまさか、ナイナイ…」





「失礼だなー!」





伊「え?!じゃ、ほんとに彼女?!」





「ちげーけど…」





日「ちげーんか!」





『あ、あのっ!コガと水戸部くんは同じクラスの友達で…』





日「コガと同じクラスってことは…2-D?」





『はいっ…!2-D、篠原花梨です!1年生がすごいと言うので見に来ました!』





20130729

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