原石と化け物。

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09.カラフルズ、まだいんのか?!


『ふっふふふーん♪ふふふふーん♪』


ただいま、マネージャーの仕事中


決していい事が合ったわけじゃない…多分…


「ねー莉卯、ドリンク作り終わった?」


『んー?あ、もう少しー』


1軍って本当に何人かしか所属してないのかと思えばそうでもなくて。

ただ、幼馴染みとか友達(カラフルズ)が目立ってしまうのは仕方ないらしい


『そんなもんなのかねぇ』


「そんなもんでしょ」


『そんなもんなんだ。ねぇ、赤司くんって見たことある?』


「あるよー、キャプテンだよね。親でも逆らったら殺すとか言ってるからちょっと近寄りづらいけど、そういうのがなかったらいい人だよねー」


「ねー…」


『親でも殺すって言ったの?!超物騒じゃん!何それ!』


「絶対主義なんだろうね…」


「あんなの独裁政治と変わんないよ」


言われ放題なんだな……

でも反対しないのは自分の身が可愛いから……か


「それは僕のことかな?」


は?

そう思って顔を上げると赤髪の人がいた

目が赤って……兎か!

ちゃんと見えてるのかお姉さん、心配だよ(誰。

「きゃ、キャプテン…」

「赤司くん…」

目の前の人が先の噂にあった赤司くんか


『ど、ども……』


「君は確か…」


『高梨です。今年から1軍のマネージャーやってます。えぇと、貴方があたしを抜擢したキャプテンさん?』


「会うのは初めてだね」


『ソウデスネ……』


青峰とは違う威圧感パネェ……!!


「大輝の練習相手というのは…君かな?」


大輝?て誰?

そこで考えてみる

あたしが相手してるのは青峰と黄瀬だけだ

黄瀬は涼太だから大輝っていうのは青峰か!


青峰って大輝っていう立派な名前あったんだね

『そうっすね。あたしからしたら弱いですけど、強くなる人材ではあると思いますよ』


「弱い?大輝がか?」


『今は、ですけど。』


「当たり前だ。君は、キセキの世代という言葉を知っているか?」


『キセキの世代……?』


「今年の2年がそれなんだ。まだ確証はないが、並の人よりも高い能力を操る選手が現れると。それも、1人ではない。だから、キセキの世代なんだ。」



『でも、確証がないんですよね?なのに、何故言い切れるんです?』


「勘だ。」


『勘……?しかも、1人じゃないって言ってますけど誰がなるかとかは分からないんじゃ…』


「分かる。じゃあ、君は1軍にいる他のプレイヤーと大輝や涼太が同等の能力を持っていると思うか?」


『それは……違いますけど、そもそも習得した場所とかではないんですか?青峰のプレイは、アメリカンスタイルに似ているんです。あのフリープレイを習得したのがアメリカなら納得出来ます。普通の人が日本で習得するのより強くなれたということが。』


「ふーん。じゃあ、涼太のことはどう説明する?」


『黄瀬は、青峰のプレイに憧れてバスケを始めたと聞きました。なら、青峰のフリープレイを舐めるように観察し、真似をしてバスケを取り入れたと考えるのが妥当ではないですか?そうなれば、他のプレイヤーとは同等でないという説明がつく』



「ふーん。賢いのか理屈立てたいだけなのか分からないけど、ならば君の幼馴染みの真太郎のことはどう説明するつもりだ?あのロングシュートのこと。」


ロングシュートの距離が長く打て始めたのは最近のこと


この距離がコート全体にまで広がるのも時間の問題だ


真ちゃんは元々の身体能力がいいから…でも、それは黄瀬にも青峰にも言えること

腕の長さ……というのには少なからずも無理がある


『それはー…「ないだろう?何も。」確かにないですけど…真ちゃんは努力に長けていますから、それによる成長と言ってもいいはず。』


「でもそれは、他の奴等にも言えること」


『違うと思います。確かに能力のない奴等は努力しているかもしれません。けど、黄瀬や青峰は努力してるんじゃない。バスケを楽しんでいるだけ。バスケが楽しくて楽しくて仕方ない彼らは、バスケをすることに躊躇しない。だから、伸びる。それだけ』


「全く君は……イライラするくらい理屈に溺れてる。」


『別にそう思ってもらっても構わないですよ?問題は理屈ではないので。』


「は?『さてと。ドリンク作り終わったし、皆戻ろー。』」


「え?あ、うん。」


「あ、うん…」


その場からそそくさと体育館に戻るマネージャーたちに私も続く


「ねぇ」


『何すか?』


「キミ、面白いね」


『どーも』



軽く言葉を交わしてもう一度体育館に向いて足を進めた



「莉卯、赤司くんにあの態度は感心しないなー」


『何で?』


「赤司くんって部活でも主導権握ってるし、親でも逆らったら殺すって言ってるくらいなんだから、莉卯なんて一撃でコロッと逝っちゃうよ?女の子なんだから気を付けなよ!」


『はーい』



アイツだってあたしと同じ中学生だぞ?それこそ、中二病って可能性だってあるじゃないか。


という風に、あたしはまだ

赤司という人を甘く見ていた

独裁政治がどういうものを示すのかこの後あたしが目にすることになる


20140602

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