原石と化け物。

□06
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06.なんで、君いんの?


ふふふーん♪


今日は特別機嫌が良いのさ!



なぜなら、数量限定のまいう棒を買ったからさ!


新しい味なんだよ!


レアなショートケーキ味!
スナック菓子なのに、クリームのクリーミーな味わいが楽しめるとは!


まいう棒、恐るべし!



『荒木せんせーおりますー?』



「あー荒木先生なら、部活行ったぞ」



『えータイミング最悪ー』



「どうした、高梨」



『提出物です』



「朝出しなさい、そういうのは」



『ないと思ったらあったんだよ!酷いでしょ?!』



「知らん。あと、教師にタメ口きくな」



『森りんの石頭ー』



「俺はお前の友達か!」



『あたしはそう思ってまし…あ、痛っ!ちょ、教師のくせに生徒に暴力はだめっしょ!』



「うっせ、暴力じゃなくて躾だからいーんだよ」



『校長先生にチクんぞ』



「やってみろ」



『渡辺せんせー、森山先生が性暴力ふってきますー』



「ちょ、おま、高梨!」



『渡辺先生、森山先生に注意の方、よろしく頼みます!じゃ、森りん!荒木せんせーにノート渡しといてね!』



「おい!高梨!戻ってこい!」





知らんしー知らんしー


教室に戻ると自分の机の上にはお菓子の袋


ん…?オカシノフクロ?


嫌な予感、ムンムンで近寄ると


そこには何故か、お菓子くんこと紫色のデカイ男子がおりました



『お菓子くん、何してんの』



「お菓子くんて俺のこと?」



『それ以外に誰がいんのさ』



「俺、お菓子くんじゃないよー。紫原敦だよー」



『それ、名前でしょ。あたしが言ってんのはあだ名!クラスでもそう呼ばれてるよ』



「あーまぁね、お菓子好きだから言われたことあるよー」



『それだよ、お菓子くん』



「でもなんかお菓子くんってやだ。名前で呼ばれたい」



『あ、そう。えっと、紫原くんだっけ』



「うん。そっちは名前何て言うの?」



『高梨莉卯だよ』




「じゃあ、りーちんだねー」



『えー何その可愛い呼ばれ方!アハハハッ!やっば!あたし可愛い!』



「えーりーちんはりーちんでしょ」



『じゃあ、紫原くんはむっくん、ね。』



「普通、そこはあっくんとかじゃないのー?」


『てかさ、むっくん。』


「んー?」


『何であたしの席にいるのですか』


「いー匂いがしたのー」


『乙女の匂いだよ、それ!』



「えーりーちん、乙女っぽくないじゃん」



『何それ、ヒド!!つーかさ、ここで何してんのさ』



「お菓子食べてる」



『見りゃわかる。そーじゃなくて、何でお菓子食べてんの』



「好きだから」



ダメだこりゃ



『自分の席で食えよー』



「いー匂いするとこで食べたいじゃん」



これが他の女子が言う、彼の可愛いところか



そういう間にも、むっくんは手元の袋をガサゴソして、新たなお菓子の袋を取り出した


そして、食べ出した


『あ、それ、まいう棒じゃーん』


「そーだよ、あげないけどねー」


『しかも限定品のショートケーキ味…それ、美味しい?』


「おいひーへろ(おいしいけど)」


『食べながら話すなよ。てかさ、アンタ部活は?』


「それはりーちんも一緒でしょ?」


『あたしはいーの、提出物出しに行くって言ってあるし』


「んーあー俺もいーの」


『何で』


「一軍のマネージャー、りーちん、初めてでしょ?迎えに行ってって、赤ちんに言われたしー」


『あ、そうだったの…ていうか、赤ちんて誰だ…』


「赤ちんは赤ちんだよー」


『なにこの、デジャヴ…ま、いっか。ねー、むっくん』


「んー?」


『部室、行こ。皆待ってるよ、きっと』


「うん」


『あと、お駄賃として、まいう棒買ってやろう』


「マジ?やったー」


『その代わり、ショートケーキ味はやめてよ。ちょっとお高いんだから』


「けちー」


『買ってあげるって言ってんのにケチって何だ!』


「怒んないでよ」


『怒ってないよー』




(高梨さん、遅かったですね)
(荒木せんせーいなくて、森りんに出してきた)
(朝に出さないからなのだよ)
(うっせ)


20130909

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