原石と化け物。

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02.運のなさはピカイチ




どうして、こうあたしには運がついてこないのか





おは朝を馬鹿にしたせい…じゃないよね、友達ができないせいでもないよね





あたしの予感はどうして、こういうときに発動できないのか





つくづく恨みたくなる





何故、初めての席替えで




隣が幼馴染みなのか




謎だらけだ






『何か恨んでんのか、アンタは!』





「おは朝を馬鹿にしたことは恨んでいるが、それが何か問題でもあるか?」






『だったら何で隣なの。恨んでんなら、他行けよ』






「それはこっちのセリフだ」






『まぁ、前の女の子は可愛いから良しとするかな……』







「心の声が駄々漏れだぞ、莉卯」





『うるせーやい。あたしは真ちゃんの隣の席で気分が晴れないんだよぉ…』






「同感だ」






『賛同するな、アホ』






「アホとはなんだ、アホとは」






『馬鹿に等しいくらい残念な奴のこと』





「意味を聞いてるんじゃない!」






『うるさいよ、真ちゃん』






「それはお前が『何』いや、何でもない」






「あー!ミドリンじゃん!」





キョロキョロしてるあたしの前の席の可愛い女の子はあたしの隣の席の真ちゃんを見ると嬉しそうに声をあげた





『ミドリン?』




女の子の発するあだ名とやらを呟いて真ちゃんを見るとヤバいという顔。




『ブフッ!アハハハハ!!ヒー!ヤッバ、マジウケるんですけど!ミドリンって!ギャハハハハ!!』




おお、大爆笑してしまった




いやだって、面白いじゃん




いつも、一緒にいる幼馴染みがミドリンとか、可愛いあだ名で呼ばれてんだもん



ひー…あー面白い…





『ケホケホッ、んでこの可愛い子、真ちゃんの知り合い?彼女?』





「は?!た、ただの、し、知り合いなのだよ!」





『や、真ちゃん吃り過ぎだから』





「あ、私、桃井さつき!バスケ部の一軍マネージャーなんだけど…って、一緒だよね?」






『あぁ…バスケ部のマネージャーね。ビックリした。そりゃそーだわ、こんな可愛い子がミドリン…ブフッ…ケホ…真ちゃんの相手なんてするわけないもんねー、変人だし』






「お前は笑いすぎなのだよ!」






『アンタは顔赤すぎだよ。あ、あたしは真ちゃんの幼馴染みの高梨莉卯。一応、1年の時もバスケ部のマネージャーやってたけど、一軍のじゃないし、知らないよね』





「ううん、知ってるよ。高梨さん、有名人だもん。観察力がすごいってみんな褒めてたよ!これから、同じ一軍のマネージャーとしてよろしくね!」






『よろしく。そーなんだ、聞いた?あたし、有名人だって。』





「友達がいないことで。か、口の悪さで。だろう」





『殴るぞ、この野郎』





「ふふっ…仲良いんだね、ミドリンと」





『喧嘩ばっかだけどね。あたしのことは莉卯でいいよ。女の子の友達って初めてだから、名前で呼び合ってるの、羨ましくて…』





「じゃあ、莉卯ね。私のことも名前で呼んでくれると嬉しいな」





『じ、じゃあ、さっちゃん!』





「うん!よろしく!」





胸の大きな美女と友達になりました



自分が虚しく感じるのはあたしだけかしら




20130822

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