原石と化け物。
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01.占いと変人幼馴染み
あたしには幼馴染みがいる
緑の髪に眼鏡をかけた、謂わば変人。
おは朝の占いを信じ、ラッキーアイテムを持ち歩く姿は変人以外の何者でもない
そんな幼馴染みと歩くあたしの身も考えてほしい
ま、真ちゃんに高望みしたら失望するだけだし、望みはしないことにしてる
「おはよう」
家が隣の奴ってどうして、こう、面倒くさいのか
『おはよ、その手のやつ、何』
「蛇のおもちゃなのだよ」
んなの、見りゃ分かる
『そーゆーことじゃなくて』
何故ピンク
幼馴染みの手には本日のラッキーアイテムである、ピンクの蛇のおもちゃがある。
『おは朝、センスねぇな』
何、ピンクの蛇って
「おは朝をバカにするな」
『おは朝はバカにしてないよ。ただ、この占いを信じてる真ちゃんと、この占いを導き出した奴は馬鹿なんだなって思っただけ。』
「最下位の乙女座に言われても何とも思わないな」
『あーそーですか。でもあたし、そーゆーの信じてないし』
「だから、運にも見放されているのだよ」
『それ以上言うと潰すぞ、この野郎』
「口が悪いのだよ!もっと女子らしくしろ!」
『今に始まったことじゃないでしょ。それに、あたしが女の子っぽくなったとこ想像してみなよ、気持ち悪いでしょ?』
「うっ…」
想像したらしい
顔がそう、物語っている
たしかに気持ち悪いって言ったけど
そーゆー反応は傷付くね…
『でさ、一軍に入ったーあの、何て言ったっけ?金髪と青髪』
「黄瀬と青峰か?」
『違う違う、そっちじゃなくて水色の方』
「黄瀬と黒子か…」
『あ、そうそう…黄瀬くんと黒子くん。その人らも同じクラスなんだよねー、そういや。』
「そうだな」
『めんどくさいクラスだなー、1年の時のが平和だったのに…』
「友達がいなかったの間違えだろう」
『いったん、黙ろうか』
「友達になればいいじゃないか」
『そんな簡単じゃないの、友達ってのは』
「まぁ、友達ができたことのない奴ならそう思っても仕方がないな」
『さっきから何なの、喧嘩売ってんのかこの野郎』
「だったら、どうする」
『買って、ボコす』
「挑発に乗るのは馬鹿だっていう証拠だぞ」
『あの馬鹿らしい占いを信じてる奴に言われたくない』
「だからおは朝を『馬鹿にしたくなるでしょ、馬鹿馬鹿しいもの』何でこんな奴が幼馴染みなんだ」
『いや、それあたしのセリフだから』
2年生に上がった、始業式の次の日の朝のこと
まだ、誰が友達になるのかは誰も知らない
20130822