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□frater...op.0.
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 自分の生まれた処は、今でも記憶の中にある。






深い澱(よどみ)の
奥深くに居た

暗くて何も見えない


あぁ…………そうか

見ようともしていなかった


この世界を見た処で
どうせ詰まらない

目を開けることなく
唯々沈んで居たのだ




 frater...op.00.

 :re_combinant.
 _re_collection.




自分の人生を
割愛しつつ
説明してみる

結構
無謀な事だ






 曲がりなりにも可愛がってくれていた育ての親は、事故で亡くなってしまった。
 始めに居た施設に戻り、また次の人達の処へ行く、という事はかなりの抵抗があった。
 君には、ちゃんとした家族の元で幸せになって貰いたい。
 そう、養護施設を取り締まる施設長は言っているが、自分には想像付かなかった。
 ある夫婦が自分を引き取りたいと言う。
 当時の幼い自分でも、面談の時からこの夫婦には違和感しか抱かなかった。
 この夫婦……何なんだ……
 そう思った処でまだ頑是(がんぜ)ない身。成す術は無かった。



 やっぱり、愛情など無かった。
 それよりも、気味悪がられていたと言った方が良かった。
 人の行動、言動が解ってしまうのは、自分の長所だ。今は。
 以前の自分には要らない要素の一つだった。
 最初から説明して欲しかったなぁと、ふと、施設長を怨んだ事もあったが、説明した処で引き取ってくれる筈も無いだろう。
 今となっては、施設長の判断は素晴らしく良い判断だったと、確実に思う。



 引き取られて3年後、その夫婦に女の子供が出来た。
 そちらに気を取られていたので、自分に付き纏う違和感も何時しか消えていた。
 暫くはそうだった。
 だが……ある日、見てしまった。
 思い出すだけでも悪寒が走る。
 変な音が部屋に響いている。
 そちらを覗くと、子供の父親が、子供の脚の間に顔を埋めていた。
 粘り気のあるような音が部屋に響く。
 子供は、気絶させられたのか寝かされたのか解らないが、身体をグッタリと横たわらせている。
 何が何だか解らない。身体が硬直する。どっどっ……と心拍数が上がる。
 そいつの頭の動きが小刻みになる。
 すると、何処からともなく母親が飛んで駆け寄り、そのまま殺し合い程の喧嘩になってしまった。



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