二次創作
□Darkness.2_01
1ページ/3ページ
籠の鳥の夢は、全てに於(お)いて悪夢に違いない。
中で飼われる苦痛と、外界に出た解放感を上回る恐怖。
籠の中で一度でも飼われた鳥は、外界では一生暮らせないのだ。
澄み切ったあの青空が、今の僕にとっては毒にも似ている……
Darkness.2
_Before make_love(rs).
悪い夢だ。
現実の僕が幸せ過ぎたから、きっと、僕の見る夢が試練を与えてるんだ。
死ぬまで続く、悪い夢……
夢なら醒(さ)めてくれと思うけど、悪夢は僕の言う事を悉(ことごと)く無視した。
息が苦しくなり、眼が醒めた。灯が無い。
寝返りを打つ。
冷や汗を吸い込んだ枕に顔を埋めるのは気持ちの良いものじゃない。
暗闇が怖い。
特に夢に起こされ、そのあと何時間も眠れない時は、それに押し潰される気がして怖いのだ。
シーツを握り締める。
ガタガタと身体が震える。
駄目だ……
卑俗(ひぞく)な嗤笑(ししょう)が耳から離れない。
嫌だっ……
汚れた手が、肢体に纏わりつく。
助けてくれっ……
『まるで、雨に濡れた子犬の様ですねぇ……カタカタ震えて……昼間の貴方とは違って、無様……いえ、それをも通り越し、滑稽とさえ思いますよ。』
昨日はこの醜態をアイツに見られた。
上辺だけ繕(つくろ)ってたとしても、斯(こ)うも表面化して終えば元も子もない。
アイツは悪態を吐くが、不安を掻き消してくれる。
唯々側に居て、手を握り締めて居ただけだったが、それだけでも、すうっと自然に眠りにつけた。
不安なら、ご一緒しましょうか?などとも言ったが、それは無理だ。
どうしても、思い出したく無い醜い顔がダブりそうで怖いのだ。