[Ib]main -short-
□味見
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その途端、首筋に濡れたものがふれる。
「ッ」
思わず振り向く。
「んー…もう少し甘くてもいいかもしれないわね」
「な、な、な」
「ん?」
ギャリーがにこにこしながらもう一度首筋に唇を近づけてきた。
「なにすんのよっ!!」
「何って、味見よ」
さらりと言ってのける彼。
「まだ料理中…」
「アタシもうお腹すいちゃったのよ」
「私は食べ物じゃ「こんなにおいしそうなのに?」
私がとめる間もなくギャリーはコンロの火を消し、私の手首をそれぞれつかんで再び首筋に舌を這わせてくる。
「カルボナーラもいいけど…アタシは今マカロンを食べたいの」
アルコールの入ったギャリーの瞳が、怪しく光った。
「…っ」
「…おいしそう、マカロン」
あの後、ギャリーは私を隣のリビングにあるソファまで抱えていった。さっきバターを取りに行ってもらったときはふらついていたはずなのに、運ばれているとき、落ちるかも、という危機感を全く感じなかった。
「マカロン…」
興奮でギャリーは息が荒く、唇は唾液で湿っている。普段真っ白な頬には赤みが差し、目は欲でとろんとしていた。
「…いただきます」
シンプルなエプロンのひもをしゅるっとほどき、私が身に着けていた服を次々と脱がせていく。
ギャリーは私を裸にすると、自身が着ていたシャツを脱ぎ捨てた。
「…ギャリー」
「……」
私の鎖骨のあたりに顔をうずめる彼。
ふわふわの髪が愛おしい。
舌を這わせているようで、くすぐったいような気持ち良さが走る。
「…っん」
「…ふふ」