かざぐるま

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ロイズ総督は今現在、逃走を図る前。
だってあろう事か、侵入者の狙いは自分の命なのだから。

「い、今すぐ総督の鷲を連れて参りますので」
「いい!自分で行く!」
「し、しかし狙われたら」
「その時は、君等がちゃんと守ってくれるだろう?」
「……!」

ロイズは部下を盾としか思っていません。

彼と部下は下の階から聞こえる爆発音を耳に、鷲の居る部屋へと足を運んだ。
部屋に着くと、ロイズの鷲は首輪を付けられていた。その首輪を引きちぎるように外し、ロイズは鷲の背中に跨る。

「さぁ、早く遠くへ!」
「言われなくても分かっておる!」

ロイズの部下達は部屋からロイズが逃げるのを確認する。
一先ずホッとした様な表情を浮かべる部下達の背後には、炎を灯す青年が。

「よぉ」
「!」

エースが、ロイズを守っていた部下の兵士達に炎の鉄槌を食らわす。
兵士達はたちまち炎に包まれて倒れて行く。容赦は、しない。


「ロイズ総督…、早く逃げ…」
「ロイズ…?」

悲鳴を聞いたエースは、全開に開いた窓ガラスを見ると、その先に一羽の鷲が空を飛んでいるのが分かる。

「…アレがラビットの言っていたロイズって野郎か…」

逃がした…と思いエースは素早くポケットから電伝虫を取り出した
そして電伝虫の受話器を取る。

「ラビット、ロイズって野郎…鷲の背中だ。逃げたぜ」

その電伝虫は、不気味に笑っていた。










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