かざぐるま

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海の上の空を越えて越えて飛び越えて。
ここはそう、新世界。
暗い空の上を飛ぶ鷲に乗った女の子。
そしてここはドレスローザ。

『いいお家』

鷲から飛び降りて地に付くと、其処はお城。
時刻は等に真夜中を差していて
静まり返っているようだ。

軍帽を被り直し、城の庭らしき庭の清らかに光るプールまで近寄る。
プールはライトで照らされて光る。

「…フッフッフッ……」
『………ん』
「こんな時間に何か用か?お嬢ちゃん」
『少なくとも、お前に用はないよ』
「…お前がセンゴクの言ってた空軍様か?」

ドンキホーテ・ドフラミンゴが灯りの消えた宅内からゆっくりと出て来た。
そしてラビットが良く見える所まで近寄った。

「やっぱりそうだ。不法侵入と空軍服、おまけに…」
『この島あっついなー』
「減らず口」
『失せな、中年野郎』
「…」

ドフラミンゴは生意気に逆らう奴が大嫌いだった。

『お』

するとラビットの手が勝手に動いた。
ラビットの手は、自分の首元に置かれる。
そして、自分で自分の首を締めだしたのだ。

「…フッフッフ、」
『…』

ギリギリとラビットの手はラビットの首を絞める。
だが次の瞬間に、ドフラミンゴの目の前からラビットの姿は消えていた。

「……」

何処に行ったのか、探してみるが、ラビットの気配も影も無い。

『物騒は嫌い』
「……」
『あんたみたいな、バカも嫌い』
「…能力者だな、お嬢ちゃん」

ラビットは気が付けば、ビーチベッドの上で寝転がっていた。
もう自分の首は締めていなかった。

「…お前の名は?」
『ラビットだよ』
「……それは偽名だろう?嘘つくのは感心しねぇな」
『あんたなんかに本名は教えないよ。馬鹿じゃないんだからサ』
「つくづく腹の立つ小娘だな…!フッフッフ…!」

ドフラミンゴは諦めたのか、自分も傍に置いてある大きなソファーに腰掛けた。

「空軍様が、ここに何の用だ?」
『元ね』
「………」
『暇つぶしだよ。』
「…へぇ?」
『まぁ、金品欲しいのもあるけどね』

ドフラミンゴが再び、自分の指を動かした。
すると今度はラビットの足が勝手に動き出し、プール目掛けて走り出した。

『あーあー』

だがまたラビットは姿を消して、

「……厄介な能力だなぁラビット?」

ラビットはドフラミンゴの後ろに置いてあるビーチチェアに腰掛けていた。

「キリが無さそうだ」
『頭悪いのね、あんたも』
「…フッフッフ!ここまで刃向う事の出来るガキはお前が初めてだぜ!」

ラビットはドフラミンゴに中指を立てた。








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