series story

□性の加減
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『うぅ〜ん、憂鬱〜〜』
「騒ぐなら部屋から出ていけ」
『なーんでそんな意地悪なことばっか言うかなぁ〜』
「おれは今忙しい。ここに居たいのなら静かにしていろ」
『だってぇ…』


お外は大雨!
ワタシ、雨って嫌いなのよね。
気分が落ちるし能力のせいか思うように力が出にくいの。雨の匂いのせいで男の匂いが紛れて変な感じ。

ぶーすか文句垂れてたら
ドレークさんに怒られちゃった。


『そーいえば何してるの?』
「……金の事でな」
『ありゃ!金欠なの?』
「……今月は船を修繕して武器も一式新調したから、少しな…」
『あ、ここ計算間違ってる』
「何!?」
『もーーーードレークちゃんさぁ〜』
「誰がドレークちゃんだ」
『昨日からあんま寝てないよね?良くないよォ寝不足は。疲れてるんだよきっと』
「……」
『そんなの放ってぐっすり眠ったらいいわよ』
「…これを副船長に今日中に渡しておかなければならなくてな。」
『なんで?明日で良くない?』
「………いや、資金帳を渡すのは毎月決まった日にちになっていてな。なるべく早い時間に渡しておきたい。夜遅く渡しに行くのは良くないだろう?」
『………うーん、変なの。あなた本当に海賊なの?』
「………」
『海賊なんだからもっと自由でいーじゃん。そんな軍隊みたいな事してないでサ』


ドレークさんてば変な人!
て言うよりきっと律儀でマメなんだろうな。
決めた事はちゃんと守ろうとする。
たとえ自分が寝不足になってもね。
ウフフ!やっぱイイ男!!


だからワタシ張り切っちゃう!


『ふふ〜』
「!!お、降りろ!」
『書類は放って寝ちゃおうよ!』

ドレークさんの膝の上に跨って
向かい合って首に手を回すと
彼は真っ赤になって嫌がった。


「…だっ、だからこれが終わって…」
『あー、ここも間違えてるわよ』
「え!?」
『ほらほらー眠いのよあなた。この計算間違えてたらあと全部やり直しじゃない』
「…………」
『おねむかな?』
「…そうだな…少し仮眠を」
『ダメよ!仮眠なんて、いっぱい寝なきゃ!』
「しかし…」
『しかしも何もダメったらダメーー!』
「あぁもう分かった!!寝ればいいんだろう!!分かったから降りてくれそして引っ付かないでくれ!!」
『ん〜〜〜』
「キスするな!!!」


諦めてベッドへ移動して上着を脱いで
力なく倒れたドレークさん。
相当おつかれだったようね。

だからワタシがイイコトしてあげるの。


「なっ、やめろ!おれは寝るんだ」
『うん寝なよ!ぐっすり眠れるマッサージしてあげるから』
「…いらん!」
『もう!このワタシが精子強奪じゃなくてマッサージしてあげるって言ってんのよー!?ホントならお金取るわよ!』
「だから頼んでいないだろう!」
『惚れた弱みってやつ〜?』
「遠慮しとこう」
『僕ちゃんワガママだねえ』
「誰が僕ちゃんだ!」


うつ伏せになっている
彼のお尻の上に跨って首から腰にかけてモミモミ揉みほぐし!
ごつくて固い彼の筋肉はとってもこってる。

うんしょ、うんしょ、と
マッサージしてあげると
初めはイヤイヤ言ってた彼も次第に何も言わなくなった。



『どお?気持ちい?』
「…………あァ」
『素直はイイコトだよっ』


彼の身体はおっきいから
ワタシの小さなお手手じゃ
満足出来ないかもだけどっ
こんなお疲れハンサムボーイを前に
何もしないってのもね!


『ふむぅ〜えっちな身体』
「…頼むから………今はそういうのはしないでくれ」
『…しょうがないから我慢してあげるわよ。それに今お腹空いてないしね』
「………」


首から肩が特にバキバキね!
バキバキといえばドレークのチンポもいっつもバキバキだけどね!あはは!

なーんて思ってたらドレークさんが
力無い声でワタシに問い掛けてきた。


「………いつから能力者に?」


その横顔がキレイでかっこよくて
ぽけーって見とれちゃう。
イケナイイケナイ!マッサージしなきゃっ


『んとねぇ、9歳くらいかな』
「……大変だったんだな」
『別にそうでも無かったわよ』
「…どうだか」
『ホントーよ!』
「……大変だろう。9歳からその体質など…、まだ“行為の意味”も分からぬ年齢で」
『まーね』
「両親はどうしたんだ」


あら、今のドレークさん
とっても穏やかで優しいかんじ。
この人本当に海賊なのかなぁ


『普通に優しかったよ』
「………過去形か」
『ワタシが“サキュバス”と呼ばれる事を恥じていたわ。だから…』
「………捨てたのか」
『んーん。売られた』
「………」
『貧乏な島だったからね。ワタシの噂を聞きつけてやってきた商人に売ったみたい』
「それは…辛い事を聞いたな」
『辛くなんかないよ』
「……嘘だな。辛いに決まってる…親に見限られるのは、何より恐ろしい事だ」


ついついね、
昔の事を思い出しちゃうの。


『まぁね〜初めはツラかったかな』
「………」
『能力者になって特に。卑しい大人がいっぱい居た事も、人と違うといっぱいイジメられて、とっても悲しかったわね』
「………」
『けど今はもう辛くないの!ワタシは今のワタシが好き!それに精子も大好きだしね〜』
「……はは、強いなお前は……」
『ま〜ね〜!』


それから少しだけマッサージしながら
色んな話をしたあと
ドレークさんは、完全に寝てしまった。

ほんとなら寝込みを襲うのが性分だけど
今日はやめといてあげる!



『さーてと!やりまっか!』



ハンサムボーイの為なら
ワタシはなんでも出来るもの!








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