笑う少女

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「…キッド、何のつもりだ」

キラーはキッドに怒り気味に言った。
酒の入ったキッドはほんのり赤い顔で「はぁ?」と対抗する。

「頭、…」

ヒートやその他のクル―も不安げな顔を隠せなかった。

「一体何があったと言うんだ?」

そう、何を議論しているかと言うと
キッドがこの船に新たに人を乗せる事にしたのだ。

…それも、娼館から攫った売女が数人。

「……頭は今まで売女を同乗させた事なんてあったか?」
「…いや…」
「急にどうしたってんだ…?」

クル―もどうしたのだろうかと疑問を問う。

「キッド、もう一度聞く。」
「……」
「さっきの女達は何だ」

先ほどキラーが目にしたのは、複数の艶めいた女性が自分等の船に乗り込んでくる様子だった。

「言ったろ、唯の性欲処理だ」
「だからって、」
「丁度いいだろ。お前らも好きに使え」

言い捨てるようにセリフを吐いて、再び酒に手を付ける。
するとしばらく沈黙があったが、クル―はキッドの言葉に歓喜した。

「やったぜ!」
「色っぺぇ姉ちゃんが何人も乗ってきたから驚いたぜ」
「これで1人でシなくて済む!」

クル―は喜んだが、幹部のキラー達は浮かない顔をしていた。

「…頭、珍しいですね。なんかあったんスか?」
「何もねぇよ」
「…」



今日、キッド海賊団の船に同乗する事になった性欲処理用の売女の数は合計5人。
キッドが言うには「買ってきた」らしい。












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