笑う少女

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『ドレーク!』

きょとんとしているドレークの仲間達。
それもそう、見知らぬ少女が我が船長と親しげに喋っているのだから。
堅物であるドレークが若い娘と笑い合っている姿など、到底予想も出来なかった事だった。

「俺を探していたのか?」

背が高いドレークは、ザジと身長を合わせるため腰を低くした。

『前のお礼を、ちゃんと言えてなかったでしょ?だから、』

相変わらず冷めない酔いに、まだ地をフワフワと浮いているみたいだった。

正直、立つ事が精一杯だった。
1人になった寂しさと、恩人に次々と会えてお礼を言う事が出来た嬉しさが交わって、脚がガタガタと震える。

「…」
『だから、』

どうしてかは知らない。何故か、酷く安心しているのかもしれないが、ザジの目にうっすらと涙が浮かんでくる。
寂しさを我慢して走り回ってたのだから、ドレークに会えた途端に我慢の糸が千切れた感覚だった。

「足が、痛そうだ」

ドレークは先程からザジの震える足をずっと見ていたのだ。泥だらけで、ベルトの千切れたシューズから覗く、血の滲む足。

「…この子知り合いですか?」
「賞金稼ぎだと…」

正体も知らない女子供に、ドレークの仲間は不審がるが、船長の友人であるのならば納得しない訳にはいかなかった。

「この子はシャボンディ諸島で俺が助けた。」
「はぁ、…でも嬢ちゃん何で新世界に?」
「キッド海賊団のクルーだからな。」
「!?」

ドレークが自分の仲間にザジの事を淡々と話していく。

「お前らよりも懸賞金は上だぞ。まず銃を向けた事を謝ってくれ」
「えぇ!?」
「も、申し訳なかった…」

無理も無い。
海賊であるが故悪魔の実の能力者なのだ。

「ザジ、船員の非礼を許してくれ」
「すまなかった」

ドレークの仲間数名の男達が、一斉にザジに謝罪した。海賊なのに何て素直で紳士な集団なのだろうとザジ思った。








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