空蝉

□二十四
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『SAD?』
「聞き覚えは?」

次の日。
事の内容を全てコゼットに伝える。思った通りの反応をしたが、スモーカーの話した内容にピンと来ている様子は無い。

『工場か…いや……無いな。』
「あの工場の意味さえ分かれば調べは速やかに終わる。そして…それが犯罪に使われているモノと判明すれば、」
「ドフラミンゴ共々、正式に処罰出来ますね」
「…かもしれねぇ、だ」

元より海軍に期待などしていない。
属する上層部があんなにも役に立たないのだから、スモーカーは訝しげな顔をした。
たしぎも少し俯いて僅かながらに唇を噛み締める。

「だが奴等が工場をトルネ国に作ったという事は必ず意味がある。」
『人口も少なく空き地が多いのを付け狙ったのだろう。…さらに海軍も来れないと分かれば当然だ。』
「だろうな。もしかしたらその為にトルネ国を落とした可能性だってある」
『……馬鹿馬鹿しい』

軍医からの報告と便りの中には聳え立つ工場の写真。コゼットはそれを乱雑に机に置く。





疑念と不安感が募る中、そのまま数日が経過し、それはさらに巨悪な“因果”と成り果てた。


軍医が殺されたのだ。







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