きらきら

□ななつ
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「ようパメラ」
『だれ?』
「俺はサッチ」
『可愛い名前!』
「だろーー!?」
『なんて呼んだらいい?』
「ハハ、サッチでも兄貴でも何でもいいよ」
『ふふふ』

サッチはコックさんらしいです。

「もうすぐ飯にするからな」
『サッチ、あのね』
「??」

パメラはサッチの耳元で耳打ちするように小さな声で言いました。

『ご飯の事“めし”っていうとね、お行儀が悪いんだって…』

これは、お母さんの教えなの。
えっへん!

「……ぷっ…、あっははははは!」

サッチは腹を抱えて笑いました。

「お前、マルコの言ってた通り“変わってる奴”だな!!」
『お母さん言ってたの。行儀悪いと、ダメなんだ』
「……」

サッチは黙りました。
悲しそうな目で笑うと、パメラの頭を撫で始めました。

「おれ達ゃ海賊だぜ?海賊は理由なしに社会のゴミだ!わははは」
『あ、そっか!悪い子でいいんだった』
「そうだそうだ。お前ももう立派な悪い子だぞー?」

サッチには、パメラの事が良く分かりました。
今までどんな生活を送ってきたか。
どんな扱いを受けて来たか。

どんな“教育”を受けて来たか。





「さぁ食堂へ行こう!」
『うん!』
「ちなみに、手で食っても立って食っても、だぁーれも怒らないからな!」
『えーほんとにー?』
「ホントホント」



無垢な少女は、羽根をもがれて
地面を這い回る蝶のようでした。












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