short

□気の済むまでキスして
1ページ/2ページ


恥ずかしがりやさんで、学校でベタベタできない一護が甘えてくるのは、家に居るときか、誰も居ない時だけ。

まあ、甘えてくるといっても寄りかかったり抱き締めてきたりする程度だけれど。

だから付き合って3ヵ月、キスも、それ以上もできていない。

一護から愛を感じない訳じゃあないけれど、もっと感じたいと思ってしまう。一護には言わないけどね




「…じゃあ、この問題は?」

「それもさっきの公式当てはめて、」

「へー」

「んで、そこで代入しろ」

「はーい」




期末テスト前で、あたしの家でお勉強会。

二人きりだというのに何時間も真面目に勉強してるあたしを(ついでに一護も)褒めてほしい。

苦手な数学を教えて貰うけどちんぷんかんぷんで集中なんてできていないし、分からない問題を一護に聞くのは、間近で一護の顔を見たいからだったりする

そんなこと言ったらきっと勉強教えてくれなくなっちゃうけど




「あ、できた、かも」

「そうか、良かったな」

「ありがとう」

「お前が頑張ったんだから出来たんだからお礼なんていらねーよ」




あまりにも優しい笑顔で言うもんだからあたしの心臓が壊れそうなくらいきゅーっと、なる。

こんなに性格の良い男も居ないと思うけれど、こんなに優しく笑う男だって居ないと思う。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ