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□これからは、隣で
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"あとちょっとで誕生日やんな、"
「お前より一足先に酒飲めるようになるんだな(笑)」
"別にいいし!わたしお酒好きじゃないし!"
時折まじる関西弁に、照れたような口調に、
それだけのことに、また、惚れていく。
"ーーーあ、ごめん、ちょっと切るな?すぐだから待っとって?"
「おー。あとでな」
"ん、あとで"
電話を切って、なんとなく、立ち上がる
23:59:58
ーーーーーー ピンポーン、
こんな時間に誰だ、と、不思議に思いながらも重たいドアをあける、と
「誕生日おめでとう、一護」
会いたくて仕方なかった彼女が、なぜ、ここに、いるなんて
そんなことよりも、無意識に、体が、彼女を引き寄せて抱きしめていた
「おま…なんで、」
「ふふ、三日前に東京戻っていいって言われとったけど、驚かせたくて、誕生日に合わせて帰ってきた」
びっくりした?と、意地悪そうに笑う彼女は、二年前より、明らかに大人びていてーーーーー
やっぱり彼女は、手離せない。
たぶん、いや、絶対惚れ直した。