LOVE ME
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ガチャリ。と、鍵をさしてドアノブをまわす。
新築の匂いに口元が思わず緩んでしまった。
二階建てのひろい部屋はあたしたちが今日から住む場所
「まさか総隊長が準備してくれるとはな」
『家も学校も手配してくれたもんね』
柴咲蒼というのは、あたしの、ずっと昔からの相棒で。
あたしの一つ下の代だけれど、そんなこと関係ないくらい息もぴったりだし、動きやすい。
「あ、おい、れん」
先に部屋に上がってた蒼が、窓をあけ指をさす。
ヒラリと、淡いオレンジ色のカーテンが風で靡いた
「向かい側の家、病院っぽいな」
『ほんとだ、医院って書いてある』
「明日挨拶でもすっか」
俺こういうの得意なんだよなーと笑う蒼をあしらってジャケットをハンガーにかける
『楽しくなりそうだね』
「…ああ、そうだな」
深夜一時十三分。
現世に無事到着。