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□もう戻れない
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組み敷いた柔らかい身体に目眩を覚えた。

嫌だと拒否し、覆い被さる俺を退けようと伸ばした細い腕すら押さえつけて、見下ろす。

目を瞑って顔を逸らされたけれど、もう、そんなの関係なく荒々しく口付けた。

小さく漏れる、初めて聞く彼女の甘い声に体の内側がぎゅっと疼いた気がした。




「なァ、名前」




ぽつりと小さく呟くと、彼女はゆっくり目を開いた。

その目尻から涙がゆっくりと頬を伝う




「…あいつにも、こうやってされてんだろ?」




驚いたように目を見開く。

そりゃそうだろうな、と自嘲気味に笑った。

あいつを、ナツを好きだと言った彼女に、俺は協力してやる、と、言ったのだから。

そのうち、笑いあったり、手を絡ませる二人にぐるぐると黒い感情が疼いて止まらなかった。



俺だって、お前のことが好きだったんだよ。

きっとナツなんかより、ずっと前から




「なんで、グレイ、」

「…知るかよ」




ばたばたと暴れる脚の間に身体を割り込ませて抵抗を奪う。

露出の高いその服はいとも簡単にはだけ、そのまま服の中に手を入れた。

びくりと、震えた彼女の身体に舌を這わせる。

ああ、ずっとこうしたかった、ずっと聞きたかった。

無我夢中で彼女を求め続ける俺にはもう彼女の涙も、嫌だと拒否する声も聞こえない。




「あ……ナツ、ッ!」




それでも、小さく抵抗した彼女の口から聞こえたのはあいつの名前。

頼むよ。

頼むから俺を拒絶しないでくれ

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