続 風、吹けば恋

□第35話 独り占めしたいアルペジオ
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「久しぶりだなー、海常来るの。相変わらず広いなー。賑わってんなー」
とキョンちゃん。

「すごーい。飲食店なんて12個もあるよ〜。ウチの文化祭なんか飲食店の出店なんて6クラスしかなかったのに! やっぱり私立は違うね〜」
と、も〜ちゃん。

「そんなことよりぃ、フィーリングカップル的なイベントはないんですかぁ? 皆で参加しましょうよー」
と、貴志さん。

「漫研のブースに行きたいです…海常の漫研はレベルが高くて有名なんです…」
と、サクラダさん。

「それよりみんな! 真っ先に行くところがあるでしょ!」

と、はしゃぐみんなをたしなめるのは、私。

「合唱部のステージ観にいかなくちゃ! 部長さんにお誘い受けたんだから」

そんなわけで、やって来ました。

海常高校の文化祭!

校門をくぐるなり、校内はたくさんの人で賑わっている。

あちらこちらに立つお店の看板。

活気づいた呼び込みの声。

なんだか、本当のお祭りみたいだ。

私たちF校合唱部がそろってやって来たのは、海常高校合唱部の部長さんからステージを観に来るよう誘われたからなのだ。

(そういえば、こうやって部員全員でオフに出かけるのって初めてだなぁ)

部活帰りに寄り道とかは、たまにあるけど。

(それにしても…)

貴志さんの私服はスゴい!

ピチピチのミニ丈のニットワンピ。しかも胸元はパッカリ空いている。お色気たっぷり。

(これで本当に高校生なんだろうか…)

その貴志さんが、口を開いた。

「なんか海常って男女比率、圧倒的に男子の方が高くありませんかぁ?」
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