続 風、吹けば恋
□第34話 恋はヘヴィーヘヴィー
1ページ/16ページ
夏休みが終わって、二学期が始まり三週間。
私の通うF校は、早くも文化祭が開催されます。
今日はその前日。
全ての授業はお休みで、丸一日かけてその準備をしています。
私のクラスは出店ではなく、演劇の出し物をする。
クラスで目立たない存在の私はもちろん演者ではなく、裏方。
裏方仕事はみな準備を終えて、後は小道具を舞台となる体育館に運ぶだけ、となった時だった。
「水沢さん、そこにあるダンボール運んで来てくれる?」
と裏方のリーダーの女の子に言われて、私は教室の片隅に置かれたダンボールを見た。
結構、大きい。
(ひとりじゃ無理かも…)
と思うものの、みんな両手がふさがっていたり、バタバタして忙しそうだったりで、なんだか手助けしてとは言いにくい。
とりあえず、私はそのダンボールのそばに立ち、腰を屈めて手をかけた。
……無理しなければ、よかったのに。
この時に、悲劇は起こったのである。