風、吹けば恋
□第1.5話 みつめていたいreprise
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女子が苦手だ。
ことあるごとに、つるんでいる。
裏表が激しい。
オレ自身とは異質過ぎて、どうにも相容れない。
たまに女バスの主将からクラブ内の愚痴を聞かされるが、オレたちとは違い過ぎて、異世界のように思える。
まあ、そんな御託を並べなくても、
とにかく、苦手だ。
放課後。
部活のために体育館へ向かう途中で、やたらと甘い香水の匂いが鼻をくすぐった。
匂いの元はすぐに分かった。
オレの少し前を歩いている女子グループ。
ぐだぐだとおしゃべりしながら横に広がり、道を占領している。
さっさと追い抜きたいのだが、情けねえことに踏みとどまってしまう。
よりによって一番苦手なタイプの化粧の濃い女子。
ちくしょう。
仕方なく、立ち止まって連中が遠ざかるを待つ。
その時だった。
セーラー服の女子がひとり、歩いてくるのが見えた。
他校の生徒か。
でも、うちの学校は部活の練習やなんかで、他校生がよく来るので珍しくない。
で、うちの校内はひろいから皆よく道に迷ってる。
そのセーラー服の女子もそうなんだろう。
尋ねようとして、その女子グループに声をかけようとしたが、連中は何事もなく通り過ぎてしまった。
かわいそーに。絶対シカトだろ、アレ。
って、オイコラ、ゴミを道端に捨てるな。
すると、セーラー服の女子はすっと屈みこんでそのゴミを拾い、ゴミ箱に投げ捨てた。