風、吹けば恋

□第1.5話 みつめていたいreprise
1ページ/7ページ

女子が苦手だ。


ことあるごとに、つるんでいる。

裏表が激しい。

オレ自身とは異質過ぎて、どうにも相容れない。

たまに女バスの主将からクラブ内の愚痴を聞かされるが、オレたちとは違い過ぎて、異世界のように思える。

まあ、そんな御託を並べなくても、

とにかく、苦手だ。


放課後。
部活のために体育館へ向かう途中で、やたらと甘い香水の匂いが鼻をくすぐった。

匂いの元はすぐに分かった。
オレの少し前を歩いている女子グループ。
ぐだぐだとおしゃべりしながら横に広がり、道を占領している。
さっさと追い抜きたいのだが、情けねえことに踏みとどまってしまう。

よりによって一番苦手なタイプの化粧の濃い女子。
ちくしょう。
仕方なく、立ち止まって連中が遠ざかるを待つ。

その時だった。
セーラー服の女子がひとり、歩いてくるのが見えた。

他校の生徒か。
でも、うちの学校は部活の練習やなんかで、他校生がよく来るので珍しくない。

で、うちの校内はひろいから皆よく道に迷ってる。

そのセーラー服の女子もそうなんだろう。
尋ねようとして、その女子グループに声をかけようとしたが、連中は何事もなく通り過ぎてしまった。

かわいそーに。絶対シカトだろ、アレ。
って、オイコラ、ゴミを道端に捨てるな。

すると、セーラー服の女子はすっと屈みこんでそのゴミを拾い、ゴミ箱に投げ捨てた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ