ツンデレ姫と王子様

□「ち、近いって!離れなさいよ!」
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土「……お前、マジで初心者なんだな。力入りすぎ。」


う、煩いわァァァァ!!あたしだって頑張ってんのよ!!

只今土方さんと稽古中。「刀振り回せばいいんでしょ楽勝楽勝」とか思って刀持ってみたら重くて、思わず落としそうになり「お前にはまだ早い」と言われ竹刀をひたすら振っている。
チクショォォォォォォォォォォ!!土方さん位余裕で倒せるようになってやるわ!!…沖田さんは返り討ちにされて終わると思うけど……。


そんなわけで、必死に練習しているのであった!

土「あーだから、違うっつーの!ここをもっと、だからちげーよ!」

…一番反対してた癖に。スパルタじゃないの。容赦なし?

山「…言葉で言われてもわかんないわよー……」

土「チッ、仕方ねぇ。」


土方さんはあたしの後ろに立ち、あたしを包み込みながらあたしの手と竹刀を握る。

なにこの状況……!?何処かで見たことある気がするんだけど!あれ、やっぱ気のせいか?

頭で悶々としていると。
土「いいか?ここはこうして…」

山「…っ」
吐息がかかる。こーゆうの弱いんだよ、あたしは!でも顔には出さない!余裕のある女を目指してんだから!この位で赤くなってたらからかわれる!!

土「……どうしたんだよ?」

山「ち、近いって!離れなさいよ!」

はっ!全然違うっつーの!余裕無いのバレバレじゃない!!ツンデレ封印よ!!はっ!!それよりも上司に命令してしまった。土方さんなら私に「切腹だァ!」とか言いそう。どうしよう…。

土「…ほぉ、近いって?意識してんのかよ…?」

あたしが耳弱いってバレたみたい。低い声で囁かれる。

山「んっ………!」

ついつい反応する。しまった。思う壺だわ、これじゃあ。

土「っ、悪ィ。いじめすぎた。」

山「……フンッ!」

もー知らね。

土「おい、どこ行くんだよっ」

山「今日は終わりにするのー!」

あたしは去って行った。
もう知るかっ!あの剣術馬鹿めっ!あれ、どっかの漫画で聞いたことあんな剣術馬鹿って…。……まぁいいや。



耳が熱いのは……気のせいだ、きっと。










続く!!

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