ツンデレ姫と王子様
□「鮭がふわふわしてる…!」
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山「あたし………、土方さんのことが好きですっ///」
土「あぁ、俺も愛してる。」
山「土方さん………っ///」
そして唇同士が触れ合うまであと数cm……
バッ!!
土「………夢か。」
くだらねぇ。なんで俺があいつの夢を……、
………っ!?///なんつー夢見てんだっ、俺……。
バンッ
山「土方さーん」
土「!?な、//」
山「あれ?寝起きでした?」
すいません、と言いながら出て行こうとする。
土「ちょ、待て!用件はなんだよ?」
山「あー、まぁ、あのー、頼み事?ですよ。」
土「頼み事?」
紫図琉が人に頼み事なんざ……
「一人でできるわよっ!!馬鹿!」
とか言う癖に。
山「後でいいですよ。それより朝食まだですよね、一緒に食べませんか?」
土「お、おう…待ってろ、すぐ着替える」
山「はーい」
_____
隊士「なーんか、怪しくない?あの二人」
隊士2「あー、俺も思ってた!肝試しのときなんかあったんじゃない?」
隊士3「いいなぁー副長。羨ましいよ。」
コソコソコソコソ、聞こえてんだよ。
…幸い、こいつには聞こえてない様だが。
山「何にします?」
土「そうだなァ…」
杏「あ!紫図琉ちゃん、おはよう♪」
山「杏さん……おはようございます。」
こいつは確か…黒崎杏、だったか。
紫図琉と同じ女中。そんくらいしか知らねぇ。
つーか紫図琉は仕事してんのか?
山「……当番制なんで。」
土「え、」
やべ、声に出てたか?
山「ま、いいですよ。杏さん。鮭定食ください。」
杏「オッケーです!副長は?」
土「…マヨネーズ定食「無いですからね?」…じゃあ同じの。」
杏「了解です!」
黒崎はぱっぱっと作っていく。
流石だな。
杏「お待たせしました〜♪あ、ハイ副長、マヨネーズ!」
土「おう、悪いな。」
杏「いいえ♪」
山「…美味しそう。」
杏「ふふっ、自信はあるよ!」
こいつは周りを笑顔にさせる力でもあんのか?
紫図琉も嬉しそうに頬を緩ませている。
山「頂きますっ。…………あ、美味しい。」
鮭を口に入れた紫図琉。
山「鮭がふわふわしてる…!」
土「……くっ」
驚き、感動している。たかが鮭で幸せそうに笑う。
山「な、何笑ってんのっ!?///美味しいって言っただけじゃんっ!」
土「いや、幸せそうに食うなぁーって思って。」
山「は、ハァ!?///煩いっ死ねっハゲっ!」
……照れるとツンツンする。…可愛い。
え?いや、なんて言った俺?
え、可愛い?誰が?…こいつが?
山「………?」
何も言い返さない俺に、キョトンとする紫図琉。
あーやめろ!首を傾げるな!小動物か!!
山「……何じっと見てんのよ…///」
いつの間にか紫図琉の顔をずっと見つめてたらしい。
しまったな…。考え過ぎた…。
土「…ワリィ」
山「…変な土方さん。まーいいや。早く食べて下さい。」
……俺はこいつにどんな気持ちで接してるんだ?
…よく分からない。
だけど、今のままの距離でもいい。そう思った。
紫図琉が早くと急かすので、言われるがままに残っている飯をかきこんだ。
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