BOOK 2

□めぐり逢い 9
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あの時
私の思いは貴女にちゃんと通じていたんだね・・・
ありがとう・・・麻里耶


私は麻里耶にそう囁き麻里耶を抱きしめた
その瞬間麻里耶の中に私が入ったように感じた


しばらく浮遊感があったけどすぐに馴染んでいくように頭の先から足先まで力がはいる
久々に大久保さんの煙草のにおいとぬくもりを実感した
おっ大久保さん/// 
眼の前の大久保さんを見て驚いた


麻里耶の話をきき 涙を流す大久保さんの姿・・・
泣かないでください 
大久保さん 私はここにいます
そう思うとじっとしていられず私は麻里耶の身体を使って
頬をつたう涙をぬぐっていた


大久保さんは麻里耶の手をとり涙眼でみつめ
すまん・・・
今だけ好きなようにさせてくれ・・・
とそういうと麻里耶を抱きしめた


その瞬間熱くなる私の心/// 



大久保さん私はここにいます
と強く念じながら
そっと大久保さんの背中に手をまわした


麻里耶・・・ごめんね・・・


貴女を介して私は大久保さんの身体に、心に触れる事ができた
私は・・・諦めない
・・・貴女がいる限り
私の心に希望と言う名の光が差し込んだ瞬間だった



ふわっ と身体が浮き麻里耶の中から離れた事がわかった
短い間だったけど大久保さんを感じる事ができてとても幸せだった


こんな気持ちにさせてくれた麻里耶や大久保さんへ感謝した
それから・・・
希望のない世界に漂う私に優しく語りかけてくれた
見知らぬ声の主にも感謝した


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