BOOK 1

□紅い月 7
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大久保said

激渋の玉露を飲みながら雲ひとつない空を見上げる
あの時と同じ・・・空か・・・


一年前に何処からともなくやってきて数カ月前、
今日のような空の日にいつの間にかいなくなった


新撰組や見回り組に捕まったという話はない
ここが嫌で出て行った事も考えたがその理由がもしかしたら・・・

私が国元からの命令で見合いをした事、その事を誤解して・・・


互いに気持ちを伝えあったわけではないが、互いに想いあっている事は感じていた


だから私はお前とこれからを共に過ごすために国元へ出向きお前の存在をほのめかし戻った


なのに・・・ そんな私の気持ちを知らずにいなくなるとは・・・


戻ってきたら お前にはっきり言わねばな


私の元へ戻ってきたら・・・




ふーっ 
また・・・あの屈託のない笑顔で
ふらっと帰ってきそうな気がするのは私の願望なのか?


今日もお前の幻影を追いかける




さて・・・今日は寺田屋へ出向かねば
手にもつお茶を一気に飲み干した


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