BOOK 1

□紅い月 6
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時々風が私の耳元で囁きながら頬をなでているみたいに感じる
すごく・・・気持ちいい・・・


「おい・・・おい・・・」身体が揺れる


以蔵の声がきこえる・・・また以蔵の夢をみているのかな?
以蔵の姿を探すけどみつからない


夢の中の以蔵に向って伝えた
「以蔵・・・いつ私の唇をうばってくれるの?」


さっきまで感じていた風が急にとまりはりつめた感じの空気が私を包む


「ばっ馬鹿 麻里耶おっお前寝ぼけているのか」


『・・・えっ?』
夢の中ではなかった会話・・・夢じゃないの・・・以蔵?


そっと目をあけると顔を真っ赤にして慌てる以蔵の顔が近くにあり驚いた


「おっお前が寝ているから起こしただけだ
・・・こんな場所で寝ているお前が悪い 
誰かにでも襲われたらどうするんだ」


あっ・・・私・・・寝てたんだ 
おまけに寝言まで・・・しかも以蔵にきかれた?・・・
「あの〜 以蔵?今私何か言った?」と思わず確認してしまう


「何の事だ。それより先生や龍馬が待っている 行くぞ」


以蔵に言われ私は以蔵と一緒に龍馬さん達が待つお部屋へ慌てて移動した


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