BOOK 2

□めぐり逢い 9
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今私がいる場所
そこは私が知っている見慣れた場所


そう伏見の薩摩藩邸だけど
私が戻れた事を意味しているわけではないという事はわかっていた

そしてそれは私の最後の時が
刻一刻と近づいている事を意味している事もわかっていた


大久保さんのお部屋とそこから見える中庭に面した廊下に
私の大切な大久保さんと麻里耶が一緒にいる姿が見える


大久保さんが私の名を呼んでいる
それに反応した麻里耶が思い出したかのように
大久保さんに伝えてくれた


あの神社で私は意識がなくなる前に香寿の声がきこえました
その時香寿が言ったんです


麻里耶のいる世界の大久保さんに伝えたい事があるの
麻里耶の世界の大久保さんでないと嫌なの・・・と


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