BOOK 2

□めぐり逢い 7
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香寿さん
香寿さん

私を呼ぶその声・・・半次郎さん?(゜_。)?今薩摩でしょ?
それとも・・もう帰ってきたの?
私は半次郎さんの声で目覚めた


大久保さんのお見合い話と
お見合いの相手と祝言をあげて帰ってくると聴いて
藩邸を飛び出した私はこの時代にきて
大久保さんと出逢った思い出の神社の境内に
来た事までは覚えていたけど
その先の記憶がなかった


・・・気づいたら半次郎さんに起こされていた


香寿さぁ
こげん所で寝うなんて困った人なあと微笑んでくれているけど・・・


私は・・・

さぁ大久保さぁがお待ちですよ
藩邸に居んから心配されておいもす 急いで帰いもそや 
と腕をつかみ先を急ごうと歩き出す
半次郎さん・・・
と私はつかまれた腕を振りほどく


驚いた半次郎さんは
香寿さぁいけんしたです?と私に尋ねてくる


どうしたって・・・
大久保さんがその・・・
奥さんと一緒にいる所に私帰れないです・・・
ご迷惑でしょうし・・と俯き言葉を詰まらせながら話す


・・・あははっ


半次郎さん?
急に笑い出す半次郎さんに私は驚いた
笑いごとではないのだけど・・・
私はキッと半次郎さんを睨んだ


それをみた半次郎さんはますます
香寿さぁ〜と笑う


もう!半次郎さん笑わないで・・・
こや申し訳ん
いや・・・
香寿さぁはここできっとおもしとか夢をみたんなあ
大久保さぁにな奥さぁはいませんよ
香寿さぁもそんこたあ知っとうでしょ


その半次郎さんからの返事に
私はますます混乱した


でも薩摩に戻ったのはお見合いのため、
そのお見合いは断れないお見合いで
薩摩で祝言をあげたと藩士の皆さんも言ってました
半次郎さんも一緒に薩摩に行っていたから知っているでしょ?と
半次郎さんに確認すると


香寿さぁ
藩邸に戻って伊集院先生に診てもらいましょ
何処か身体の具合が悪いのじゃなかですか 
と真剣な表情で心配され再び腕を掴まれると
簡単には振りほどく事もできず
半ば半次郎さんに担がれるようにして藩邸に連行された


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