BOOK 2
□めぐり逢い 2
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えーと・・・ここにきてからあっという間に三ヶ月が過ぎました
ここに来た翌日小松様と大久保さんに呼ばれ「帰り道がわからないのならわかるまでここにいればいい」と
それから
ここにいる間 時々小松様や大久保さんの話し相手になってほしい事
外には絶対に一人では出ない事
出かける時は小松様や大久保さんが一緒である事
これだけを守れる事がここでの生活をしてもいい条件として提示された
確かに元の時代に帰る方法がわからない以上この時代で生活する方法を
探さないといけなかったから私にとっては願ってもない事だった
私は「よろしくお願いします」と返事をかえしていた
藩邸の中での私は小松様の遠縁の者として紹介され大久保さんが
そのお世話係という事になっていた
毎日大久保さんに呼ばれてはお茶の煎れ方と礼儀作法を教えられる
教えられるというより・・・躾?に近かった
上から目線での物言いで何度も凹まされ私が思い描き勝手に妄想の中で
恋をしていた大久保さんとはかけ離れていた
このときすでに儚い私の妄想の恋は終わっていた・・・
『私が勝手に思い描いた一蔵様・・・さようなら・・・』
でも毎日その躾のお陰で忙しく落ち込む暇さえなかった
それにここで生活して行く中で私にもできる事が段々と増えていった
結局こんな風に藩邸の生活に慣れたのも大久保さんの躾のお陰なのかな?
と最近になって気づいた
大久保さんて優しいのか意地悪なのか・・・