BOOK 2

□めぐり逢い 1
1ページ/11ページ

私の名前は香寿
平成の時代 とある場所にある神社が私のお気に入りだった


そこでいつも激動の幕末を駆け抜けた志士達の事を思いながら
過ごす事が私のストレス発散になっていた


人が聴いたら 暗いって言うかもしれないけど・・・


特に幕末の大久保利通が大好きで知れば知るほど胸が締め付けられる
新しい時代を作ろうと奔走した貴方に私はいつしか  叶わぬ恋をしてしまった


いくら望んでも逢う事のない人 
まして同じ時間を過ごす事なんて・・・できるはずもない


はぁ〜っ 今日も甘い溜息がでる


こんな姿を麻里耶がみたらきっと心配するね・・・きっと


明日からは連続のシフトで考えただけでも恐ろしい激務が待つ
重たい足取りと気持ちで私は荷物を抱え神社の境内を鳥居に向って歩き出した


すると急に雲行きが怪しくなりあっという間に雨が降り出した
私は境内の銀杏の木の下にとりあえず移動し様子を伺った


『あ〜ぁ 雨脚は段々きつくなるばかり』どうしようかと思案していると 
ピカッと稲妻が走る 


同時に落雷が銀杏の木に落ち私はその衝撃を受け意識を手放した


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ