□選択の時 秘めた想いの行き先
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高杉said

留里子が来る事がわかった時俺は未知なる体験とこれから起こる出来事に心躍る思いだった。


それは今も変わりはしない・・・


だからこそ心に秘めていたこの想いをどうすべきなのか・・・
静まりかえる藩邸の中俺は小さな灯を灯しながら眼の前の部屋の襖を開けた


そこには静かに寝息を立てる三人の寝姿があった


静かに歩みを進めとある人物の傍で立ち止まる


『香寿お前は今どんな夢をみているのだ?』俺はそっと呟いた


帰れる手段が見つかった今お前は選ばねばならん
それは遅かれ早かれ・・・
お前達がここにいる以上しなければならなかった事だ


大久保さんの傍に居続けるのか元の場所へと帰るのか・・・
それともここに・・・


ふっ そこに俺様も入っていたならと思うのは・・・叶わぬ願いだったな


俺は踵を返し静かに部屋を出た
「・・・やっと寝付いたようだな。」と小五郎が廊下で待ち受けていた


「なんだ お前も心配になってあいつ等の寝顔を見に来たのか?」と俺が問いかけた


それに対して小五郎は
「あ〜無論だ。此処で預かっている三人に何かあっては困るからね」と真面目に返事を返してきた


「なんだその間違いとは?」と聴き返したが
小五郎は「それは晋作自身が一番理解している事だろう」と言い残し去っていった


『ふっ そうまで言われたら何もできないだろう』
俺は夜空を見上げながらそう囁いた


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