BOOK 2
□めぐり逢い 3
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一通り診察を終えると
「大久保さぁはもう心配んでしょう。でん今日はゆっくい休んでくいやんせ 」
と大久保さんにはっきりと伝える伊集院先生
『うんうん その通り』と私も伊集院先生の隣で頷いていた
「あははっ」と小松様は笑い大久保さんの肩をポンと叩き
「大久保さん・・だそうだよ 今日はこのままゆっくりと休むといい。
香寿さんすまないけど大久保さんの事頼めるかな?」
と私を大久保さんと私を交互に視線を送りながら話す
私は小松様に「はいもちろんです」と大きく頷き返した
「香寿さぁ今は貴女の方が怪我人ですよ。手を見せてくいやんせ」
と私の両手首をつかみ手のひらをみつめる
「こげん火傷になうなんて・・・熱いお湯を触うのも痛かったでしょう。
今無理をすうともすもすひどくないござんで。いっとっはおいの所に通ってくいやんせ。
小松様よかでしょうか?」 と小松様をみつめる伊集院先生
「香寿さんその火傷はどうしたのですか?」と小松様に聴かれる
大久保さんの前でその事は言いたくなかった・・・
きっと言う事で大久保さんが責任を感じるように思ったから
それに・・・
身体を拭く事は日常の援助として常に行っていた事
その際に使うお湯は熱いほうがいい事も知っている
だからこそその場では言えなかった
「おっお茶を溢して咄嗟に両手で受けてしまったからです」と説明した
小松様も伊集院先生もそうですか・・・
ならばとこれからは伊集院先生の元に治療に通うように言われ
お二人は大久保さんの部屋を後にした