BOOK 2

□めぐり逢い 3
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薩摩藩邸 大久保said

『休んだ分の仕事をしなければ』と
今日も私は朝餉のあと持ち帰った書状に眼を通す


香寿は今両手が使えない・・・
久々に静が作る朝餉は上手い


だが香寿の作る毎日味が変わる味噌汁が無性に食べたくなる・・・


「ふーっ 」と溜息を気づかれるように煙草をふかす


時折香寿が私の姿をみて甘い吐息を出す事がある


『この馬鹿娘はこの前私の裸をみてからこの私に恋でもしたのか?』 そう思った私は香寿に向い

「朝から何を興奮しておる。まぁこの私が目の前にいるのだから
そうなる気持ちはわからん事もないな」と言い放つ 


すかさず 「興奮なんてしてません///」と頬を赤らめてかえす 


本当に面白い女子だ


だが『あの時はお前に世話になった』両手の火傷の事を思うと少し胸が痛くなる


その火傷はそそうをしたのではなく、私のためにした事を私は知ってしまった


毎日伊集院に診てもらって治りつつある事も知っていたがお前はすぐに
無理をする事もあるから釘はさしておかないとな


私は表座敷に出かける前にお前に申しつけておこう「無理はしてくれるなよ」と


心なしか香寿と離れがたいと思ったが背を向け表座敷へと向った


少し時間が空いた


この時ふと香寿の事を思い出す


香寿の様子を伺いつつまた揄ってやろうと思い伊集院の元へと向かった


何やら楽しそうに声を出し笑いあっておる二人


##NAMAE1##私以外の男の前でもそんな顔を見せていたのか・・・


その二人の姿に心の中にドロドロとした熱いものが一瞬湧き上がったが
気づかぬ振りをしてその場を後にした


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